元FIA(国際自動車連盟)スポーティングディレクターのスティーブ・ニールセンが、昨年末にFIAを退職した後、コンサルタントとしてF1組織に復帰した。ニールセンは正式なフルタイムタイトルを持っていないものの、F1シャツを着てバーレーンのパドックにいる。元警察官で、人望も厚いニールセンは1980年代からF1パドックでおなじみの顔だった。
ケータリング会社MSLでトラックドライバーとしてスタートした彼は、チーム・ロータス、ティレル、ベネトン/ルノー、ホンダ、アロウズ、ケータハム、トロ・ロッソ、ウィリアムズで、主にチームマネジャーやスポーティングディレクターを務めた。2017年8月にはウィリアムズを離れ、ロス・ブラウンによるリバティ・メディア傘下での最初の重要人事の1つとしてF1にスポーティングディレクターとして加わった。F1では幅広い職務を任され、スポーティングレギュレーションの開発に携わるとともに、レースウイークエンドでは運営にも携わった。また、世界中のレース会場と密接に協力し、新型コロナウイルスが蔓延した際にはF1を軌道に戻す取り組みの中心人物でもあった。彼はキャンセルに見舞われたカレンダーを、イモラ、ニュルブルクリンク、ムジェロ、カタール、イスタンブールなど、新しい、あるいは長らく開催されていなかったサーキットで埋めることに貢献し、サーキットが常に最新の状態でレースを開催できるようにした。ニールセンは2023年1月、F1の承認を得て、同様の肩書きでFIAに加わった。FIAは当時、ニールセンが「レースコントロールとリモートオペレーションセンターの継続的な開発、スポーティングレギュレーションの将来的な更新を含む、すべてのスポーティング事項を監督する責任を負う」と述べていた。ニールセンはレース・ディレクターのニールス・ウィティッヒと緊密に連携し、レース・コントロールの効率化に努めた。最初のシーズンが終わると、彼はFIAでの仕事を続けないことを決め、コンサルタント業を立ち上げるために退職した。そして今回、フルタイムではないものの、以前と同じような仕事をするためにF1に戻ってきた。また、サーキットなど他のクライアントとも仕事をする予定だという。
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