リアム・ローソンはF1で迎えた初のフルシーズンで、自身がトップレベルに値する存在であることを証明し続けている。しかも、その道のりは多くのルーキーが直面する以上に波乱に満ちたものだった。シーズン序盤わずか2戦でレッドブルからレーシングブルズへ降格されるという異例の展開を経験しながらも、ローソンは6度のポイント獲得やアゼルバイジャンでの5位入賞など、強烈な存在感を放ってきた。しかしその一方で、来季もグリッドに残れるかという最大の疑問は依然として晴れていない。
レッドブルの1枠を巡る争いの中心へ現在、2026年に向けて確定しているレッドブルのドライバーはマックス・フェルスタッペンのみ。シリーシーズンの注目は一気に高まり、ローソンを取り巻く状況は一段と緊張感を増している。ローソンと角田裕毅は、事実上レーシングブルズの“残り1枠”を争っている立場だ。また、アイザック・ハジャーはレッドブル昇格が有力視され、アービッド・リンドブラッドもルーキー候補として控えている。その混沌とした状況の中で、ローソンは冷静さを保っているものの、自身の未来についての見通しが持てないのが現実だ。ローソン「F1の1年目を乗り越えられるかが全て」ローソンはルーキーとしての“最初の大きな試練”の重みをよく理解しているという。「F1での最初の年がいちばん重要なんだ。そこで成長できるかどうか、そしてF1に残れるかどうかが決まる。多くのドライバーが1年か2年でシートを失ってしまう」「数年シートを確保できれば、価値あるドライバーとして認識されるようになる」その考えを背景に、ローソンは与えられた状況の中で最大限の結果を出し続けてきた。レーシングブルズはパフォーマンスの波が激しいが、ローソンは一貫性と成熟した走りで存在感を示し、当初想定していたよりはるかに不安定な環境下でも能力を証明してきた。レッドブルの決断は再び後ろ倒しにしかし、レッドブル体系においては“パフォーマンスだけ”では未来が保証されない。決断の時期は動きに動き、今や発表はアブダビ以降にずれ込む見通しとなった。コンストラクターズ選手権が近年まれに見る激戦となっているため、ローソンと角田裕毅はいずれも不透明な状況のまま重要なレースを戦い続けている。ローソンは、発表の時期についてこう語る。「正直、まったく分からない。シーズンの終盤、もしくは終わりになると思う」「両チームともコンストラクターズ選手権の非常に重要な戦いをしている。ベストな状況を作るため、それがこの遅れの理由だと思う」「だから、発表はできるだけ遅くなるだろう。でも本当に分からない」ローソンができるのは、走り続け結果を出し続けることだけだ。チームにとって難しい判断となるようなパフォーマンスを積み上げること――それが、自身の未来を切り拓く唯一の手段となる。彼に残された道が来季のシート確保につながるのか、それとも争いをさらに激化させるだけなのか。ローソンは、1周ごとに自身の価値を示し続ける覚悟だ。角田裕毅のラスベガスは“痛恨” タイヤ内圧ミスとVSCで崩れる対する角田裕毅は、ラスベガスで再び厳しい週末となり、残留への望みがダメージを負った。予選ではタイヤ内圧の設定ミスによりピットレーンスタートを余儀なくされ、序盤のピットストップ直後にVSCが入り、ライバルにタイムを稼がれる最悪の展開となった。角田裕毅は14位でフィニッシュした後、マクラーレン勢の失格により12位に繰り上がった。「ピットした直後にセーフティカーが出てしまったので、理想的ではありません。これまでツイていないことが続いています。運という言葉は好きではありませんが、今週末は本当に悪い運だったと感じます」「FP1〜FP3で何度もマックスを上回った」 それでも結果が必要角田裕毅は、予選までは十分なペースがあったとし、ポイント圏に迫る力はあったと主張する。しかし連続する不運とミスが精神的にも堪えていると語った。「予選までペースを発揮できなかったのは残念ですし、フラストレーションが溜まります。全部を台無しにしてしまいました」それでも彼は、プラクティスでの走りに手応えを見いだす。「FP1、FP2、FP3で何度もパフォーマンスランでマックスより前にいましたし、それは長い間なかったことだと思います」「彼の強さは予選でレベルをもう一段引き上げることですが、私も予選に向けて自信はありました。評価してもらえたとは思いますが、欲しいのは結果ですし、それはチームも同じです」「こうしたミスは続けられませんので、カタールではしっかり立て直したいです」レッドブルの“決定先送り戦略”は意図的レッドブルはこれまでも、2026年ラインナップ決定を遅らせるのは意図的だと説明してきた。ローソンの言う通り、コンストラクターズ争いのなかで不要な雑音を排除するためだ。
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