“ゴールデンアワー”に行われたハイパーポールで、金色に輝くヘルツ・チームJOTAのキャデラックが“黄金の走り”を見せた。イギリス人ドライバーのアレックス・リンが#12 Vシリーズ.Rで3分23秒166を記録し、2025年ル・マン24時間レースのポールポジションを獲得。アメリカブランドにとって、初のハイパーポール前列独占という快挙となった。チームメイトのアール・バンバーがわずか0.167秒差の2番手に続いた。
各クラスのポールポジション獲得車■ ハイパーカー:キャデラック Vシリーズ.R #12(キャデラック・ヘルツ・チームJOTA) ウィル・スティーブンス/ノルマン・ナト/アレックス・リン – 3:23.166■ LMP2:オレカ07-ギブソン #29(TDSレーシング) ロドリゴ・セールス/マティアス・ベシェ/クレモン・ノバラック(LMP2 Pro/Am) – 3:35.062■ LMGT3:アストンマーティン・バンテージ AMR LMGT3 #27(ハート・オブ・レーシング) イアン・ジェームズ/マッティア・ドルディ/ザカリー・ロビション – 3:52.789昨日の劇的な予選を経て迎えたハイパーポール。サルト・サーキットは静まり返り、すべての注目がこの一発勝負に集まった。ハイパーポール1で各クラスの上位車両が絞り込まれ、ハイパーポール2では“手加減無用”の最終決戦が展開された。アレックス・リンのコメント「ル・マンのような魔法のようなサーキットでこうした走りができるのは本当に特別なことだ。大好きな場所だからね。あとは残り24時間を戦い抜くだけ!」ハイパーカーハイパーポール1では、予選を勝ち上がった15台が少燃料仕様で激しいアタック合戦を繰り広げた。まず#5ポルシェがフリープラクティス3の勢いそのままに、3分23秒979で基準タイムを刻んだ。2周目では#20 BMWや#50フェラーリも好タイムを記録し、わずか0.1秒以内に3台がひしめく展開となった。そんな中、#5ポルシェはピットレーン進入時に右リアタイヤが外れるという衝撃のトラブルに見舞われるが、なんとか最終セッションに進出。地元フランスに希望を与えたのはアルピーヌ。ミック・シューマッハが一時トップに立つも、その後のタイム更新ラッシュに沈む。#20 BMW、#38キャデラック、そして#311キャデラックのジャック・エイトケンが3分22秒742の驚異的なタイムでハイパーポール1を制した。イギリス勢にとっては厳しい結果に。唯一の#009アストンマーティン・ヴァルキリーは15番手に終わり、#101キャデラック、#35アルピーヌ、さらには#83 AFコルセのフェラーリ(これまで上位常連だった)と、昨年優勝車#51フェラーリも決勝進出を逃した。ハイパーポール2では、#8トヨタを駆るセバスチャン・ブエミがムルサンの急制動で制御を失いグラベルに飛び出すという場面も。幸いコース復帰できたが、これでトヨタはポール争いから脱落。そしてステージはキャデラックのものに。アレックス・リンが前日の予選タイムがまぐれではないことを証明し、3分23秒166で堂々トップに立つ。一方で、当初10番手に沈んでいたアール・バンバーが最後の1周でリンに肉薄する3分23秒333を記録し、見事ワン・ツー体制を築いた。「ル・マンで少燃料のハイパーカーを運転できる機会は、いつだって名誉であり特権だ。観客の前でこの結果を出せて本当に特別な瞬間だ。キャデラックは本当に努力してきたし、この結果はその報いだ。大好きなこの特別な夜に特別なサーキットでやれたことが嬉しい。今夜はしっかり寝て、土曜のビッグレースに備える」とリンは語った。LMP2とLMGT3LMGT3では、#54ヴィスタAFコルセ・フェラーリがポルシェカーブで停止し赤旗が出され、残り11分で中断。#78レクサスはムルサンのシケインでグラベルに飛び出すトラブル。LMP2では#199 AO by TFと#22ユナイテッド・オートスポーツが一騎打ちの様相を見せる中、#43インター・ユーロポル・コンペティションが見事な走りで0.641秒の差を築きトップ通過。LMGT3では#46チームWRTが再びセッション最速を記録し、ヴァレンティーノ・ロッシにポールのチャンスを与える。#81 TFスポーツ・コルベットが3番手につけると、#95マクラーレンのショーン・ゲラエルが最後の最後で8位に滑り込み、#193ジグゴ・スポーツ・フェラーリや#88プロトン・フォード、#59マクラーレンを振り落とした。ハイパーポール2では激戦が続き、4台がトップを入れ替える中、LMP2はFP3でも最速だった#29 TDSレーシングがマティアス・ベシェの好走でトップ。だが、ルイ・デレトラズがタイム内で最終アタックに入り全セクターで好タイムを刻むも、タイヤが限界を迎えパワースライドの連続で3位にとどまった。LMGT3ではヴァレンティーノ・ロッシがトップ3に入る走りを見せたが、ポールはハート・オブ・レーシングの#27アストンマーティン。歴史的快挙となった。ハイパーカー最終上位10台1.#12 キャデラック(ヘルツ・チームJOTA)– 3:23.1662.#38 キャデラック(ヘルツ・チームJOTA)– 3:23.3333.#5 ポルシェ(ペンスキー)– 3:23.4754.#15 BMW(チームWRT)– 3:23.6595.#4 ポルシェ(ペンスキー)– 3:23.9836.#20 BMW(チームWRT)– 3:24.0097.#50 フェラーリ(AFコルセ)– 3:24.2138.#311 キャデラック(ウェーレン)– 3:24.3809.#36 アルピーヌ – 3:24.39810.#8 トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)– タイムなしLMP2 最終上位8台1.#29 TDSレーシング – 3:35.0622.#43 インター・ユーロポル – 3:35.3333.#14 AO by TF – 3:35.4214.#23 ユナイテッド・オートスポーツ – 3:35.4595.#22 ユナイテッド・オートスポーツ – 3:35.6156.#37 クール・レーシング – 3:36.1847.#183 AFコルセ – 3:36.9938.#16 RLR Mスポーツ – 3:38.922LMGT3 最終上位8台1.#27 アストンマーティン(ハート・オブ・レーシング)– 3:52.7892.#21 フェラーリ(ヴィスタAFコルセ)– 3:53.0853.#46 BMW(チームWRT)– 3:54.9664.#61 メルセデスAMG(アイアン・リンクス)– 3:54.9985.#92 ポルシェ(マンタイ)– 3:55.1406.#81 コルベット(TFスポーツ)– 3:55.7407.#95 マクラーレン(ユナイテッド・オートスポーツ)– 3:55.9658.#78 レクサス(アッコディスASP)– 4:03.660