ラスベガス・ストリップは今週末、3年連続となるF1ラスベガスGPを迎える。その裏側で、米連邦捜査局(FBI)が大規模なセキュリティ強化に乗り出している。初開催の2023年から積み重ねてきた多機関協力の取り組みは、今年さらに拡大した形だ。ドライバーズ選手権は、ランド・ノリスが390ポイントで首位に立ち、2番手のオスカー・ピアストリに24ポイント差、3番手のマックス・フェルスタッペンには49ポイント差をつけている。残り3戦を前に緊張感が高まる一方、警備体制も“最終段階”へと入った。
FBIが1年がかりで準備「どんな状況でも対応可能」FBIラスベガス支局の特別捜査官クリストファー・デルゾットは、地元メディアFox5の取材に応じ、今年のラスベガスGPに向けて年間を通じて対策を講じてきたと語った。「どんな状況になっても対応できるという自信がある」とデルゾットは述べる。就任から数か月の新任ではあるが、同支局は2023年の初開催時から、地元・州・連邦レベルの各機関とともに定期的な訓練を重ねてきた。「我々は毎月、全レベルの法執行機関とのリーダーシップ会議を実施している。また、さまざまなシナリオを想定した“テーブルトップ演習”も行い、実際の現場で初めて議論するような事態を避けている」空港での“入国スクリーニング強化”も実施へデルゾットはさらに、レースウィークにラスベガス入りする旅行者に対して、ハリー・リード国際空港で追加のスクリーニングが行われる可能性を示した。F1ファンも例外ではなく、過去の犯罪歴や外国のテロ組織との関連性などがチェックされる可能性があるという。「F1のような大規模イベントや爆破予告などの重大案件では、どの制服を着ているか、どの組織に所属しているかは関係ない。優先すべきは公共の安全だ」SNS脅威専用の“第五指令所”を含む5拠点体制ラスベガスGP期間中、FBIは5つの指令所を稼働させ、そのうち1つはソーシャルメディア上の脅威を監視するために特化される。デルゾットは「大規模イベントでは、寄せられる通報の大部分がオンライン上の脅威だ。我々はそれらを精査し、活用する」と説明した。また、レース週は道路封鎖が段階的に進行しており、FIAは週内に最終的なサーキット全体の点検を行う予定だ。迫るラスベガスGP、街も警備も“最終段階”に華やかなF1の裏で、治安維持の現場は例年以上に緊張感を増している。FBIを中心とした多機関連携はすでに1年がかりで進められ、ラスベガスの街は今、レースと同じく“勝負の週末”を迎えつつある。