アストンマーティンのランス・ストロールは、2024年にF1を引退する可能性があったという報道について「フェイクニュースだ」と一笑に付した。近年、ストロールがF1を離れる意向を持っているという噂はたびたび浮上してきた。2023年にはテニス転向の可能性まで報じられたが、本人は当時もこれを否定していた。
話題が再燃したのは、アストンマーティンのリザーブドライバーであるフェリペ・ドルゴビッチが、ポッドキャスト番組『Na Ponta dos Dedos』で「ストロールは2024年の継続を非常に迷っていた」と発言したことがきっかけだった。ドルゴビッチは番組で次のように語っている。「2024年と2025年の契約更新をしたとき、希望があっただけでなく、実際にチーム代表との間で話し合いもあった。2023年末には僕が2024年から参戦できる可能性がかなり現実的になっていた。ランス自身が2024年に続けない可能性もあったんだ。だから、本当にあと一歩のところまでいっていたと思う」この発言を受け、サンパウロGPの木曜メディアデーでストロールに真相を問う声が上がったが、カナダ人ドライバーは笑みを浮かべながら一言で否定した。「フェイクニュースだ」ストロールは現在、アストンマーティンと2026年シーズン末まで契約を結んでいる。2025年シーズンのアストンマーティンは苦戦を強いられており、コンストラクターズ選手権ではレーシングブルズに3ポイント差の7位にとどまっている。ストロールはここまで32ポイントを獲得し、チームメイトのフェルナンド・アロンソ(37ポイント)に5ポイント差のドライバーズランキング14位につけている。アストンマーティンの停滞とストロールの立場ストロールの否定発言は、チーム内外の不振ムードを払拭する意図も含まれていると見られる。今季のアストンマーティンAMR25は開幕直後から競争力不足が顕著で、昨年の表彰台常連から一転して中団グループに沈んだ。2026年のホンダ製パワーユニット導入を控え、チーム内では人員再編と技術体制の刷新が進行中であり、ストロールの将来もその変化の文脈で語られてきた。しかし、今回の「フェイクニュース」発言によって、少なくとも本人の意思は明確に示された。2026年の新時代を迎えるまで、ストロールはチームの一員としてアストンマーティン再建の歩みを続ける構えだ。