2020年のF1日本GPの中止が決定。アゼルバイジャン、シンガポールの中止も決定し、シーズン後半のカレンダーがどのようなものになるかが不確定な状態となっている。2020年のF1世界選手権は、開幕戦オーストラリアGPの現場でマクラーレンF1のスタッフに新型コロナウイルスの感染者が出たことをはじめ、開幕から10戦が延期・中止に。
だが、その後、F1は7月のオーストリアでの2連戦を皮切りに10週間で8戦という超過密スケジュールの序盤8戦のヨーロッパラウンドのカレンダーを発表した。一方で、オーストラリア、モナコ、フランス、オランダ、アゼルバイジャン、日本、シンガポールという当初カレンダーに乗っていた7つのレースの中止が決定している。人気のナイトレースであるシンガポールは、ストリート・サーキットの準備のためのリードタイムが足りなかった。アゼルバイジャンはどの国よりも高いホスティング料金を支払っているとされ、ぎりぎりまで交渉が行われたようだが、やはりストリート・サーキットの準備が間に合わないことで断念。ユーラシア大陸でのラウンドが開催されないこととなった。伝統のモナコもやはりストリート・サーキットという特性が大きく関係した。フランスは新型コロナウイルスの制限が緩和されず、オランダは35年ぶりの復活をファンとともに祝いたいとの意向があった。鈴鹿サーキットは「国内外における今後の状況変化や、渡航規制の解除が見通せない状況のなか、安心・安全な環境で開催するための準備期間も考慮し、やむなく中止の判断をいたしました」としている。F1はテレビ放映権の収入を得るために15~18戦の開催を目指しており、F1世界選手権としては基本的には3つの大陸で開催されることが原則となっている。序盤8戦はどのようなスケジュールで行われる?これまでヨーロッパでの8戦が発表されている。レッドブル・リンクでのダブルヘッダーとハンガロリンクの3連戦、シルバーストンのダブルヘッダーとバルセロナのトリプルヘッダー、スパ・フランコルシャンとモンツァでの2連戦と10週間で8ラウンドが開催される。7月5日:オーストリアGP(レッドブル・リンク)7月12日:シュタイアーマルクGP(レッドブル・リンク)7月19日:ハンガリーGP(ハンガロリンク)8月2日:イギリスGP(シルバーストン)8月9日:70周年記念グランプリ(シルバーストン)8月16日:スペインGP(バルセロナ)8月30日:ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)9月6日:イタリアGP(モンツァ)保留中の開催地は?9つのラウンドはまだ保留中または延期としてリストされていますが、現在のところ3つだけが次のカレンダーの確認に含まれると考えられている。ロシアのプロモーターは、ソチ・オートドロームが予定通りレースを開催できると確信しており、週末に2レースを行うことも提案している。これに加えて、アブダビとバーレーン(元の3月の日付から再配置)が12月の最終レースとしても開催されることが確実とされており、バーレーンは2つの異なるレイアウトを使用して2連戦を組み合わせることが検討されている。しかし、ブラジルは新型コロナウイルスが厳しい状況にあり、アメリカも10月までに渡航制限が緩和されるかどうかに応じて中止となる可能性がある。一方、メキシコのプロモーターは、レースを主催できることに自信を持っていると語っている。アジアではベトナムはまだ保留。中国は2レースの開催をF1側から提案されているが、まだ決定していないことを明らかにしている。当初のカレンダーにはなかった開催地F1は、シーズン後半のフライアウェイで物流の問題などが正常に戻ることを期待して計画を進めているが、その一方でヨーロッパに焦点を当て、当初のカレンダーには載っていなかったサーキットで開催するというバックアップ計画もある。現在、4つの“ワイルドカード”が検討されている。イタリアのムジェロとイモラ、ポルトガルのアルガルベ(ポルティマオ)、そして、ドイツのホッケンハイムだ。これらのうち、フェラーリが所有するムジェロとポルティマオはこれまでにF1グランプリを主催したことがなく、シーズンの重要な段階にあるタイトル争いのドライバーに興味深いダイナミクスを生み出す可能性がある。また、フェラーリは9月6日のイタリアGPで999戦目を迎えることなっており、翌週にイモラもしくはムジェロで母国のファンの前で1000戦目を祝うことになるのは確実との見方もある。その場合、レースは9月13日に行われ、ベルギーGPからの3連戦となる。ポルトガルの地元紙 A BOLA は9月27日にF1ポルトガルGP、10月24日にアルガルベGPとして開催されると報じている。だが、現時点では9月27日はF1ロシアGPのために予約されており、ソチも2レースが可能な開催地として提案されている。そのため、ポリティマオは、事実上、F1ロシアGPが実現しない場合のバックアップだと考えられている。また、ホッケンハイムは当初はシルバーストンでのレースが実現しない場合の補欠として待機していた。現在もまだ代替開催地として名前が残っているが、サーキットの担当者は「F1の決定を永遠に待つことはできない」と忍耐を失いかけている。
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