第106回インディ500の予選が2日間に渡って開催され、Chip Ganassi Racingのホンダエンジン搭載マシンで戦うスコット・ディクソンがポールポジションを獲得した。インディカーシリーズで6回チャンピオンになっているニュージーランド出身のディクソンは、そのすばらしいキャリアをさらに輝かせるインディ500での5回目のポールポジション獲得を成し遂げた。
インディ500の予選は今年から三段階で争われるものに変更され、予選1日目の土曜日に最速だった12人が2日目の予選へと駒を進めてポールポジションを争う方式とされた。決勝のスターティンググリッドの13番手から33番手までは土曜日に決定し、ポールポジションとフロントローから4列目までのグリッドが予選2日目の日曜日に決まるというルール。7人のホンダドライバーたちが予選2日目に戦う権利を与えられるファスト12入りを果たし、そのうちの4人が12人から半分の6人に絞り込まれてポールポジション争いを繰り広げました。いずれの予選でも各ドライバーに与えられるアタックのチャンスは1回だけとなる。予選1日目を10番手でクリアしたスコット・ディクソンは、予選2日目の最初の予選でトップタイムをマークした。そしてディクソンは、最後の勝負である予選2日目の2回目のシングルカー予選において、4ラップ平均234.046mphという驚異的なスピードを実現させ、キャリア5回目となるインディ500ポールポジションを獲得した。スコット・ディクソンは2008年のインディ500で優勝を飾っており、今年はキャリア2勝目を目指してフロントロー内側のグリッドからレースに臨む。予選2番手はディクソンのチームメートのアレックス・パロウだった。2020年にルーキーながら予選7番手に食い込んだパロウは、Chip Ganassi Racingに移った初年度の2021年に予選6番手、今年は予選2番手と見事な成績を残してきており、初めてフロントローからスタートする権利を獲得した。彼らのチームメートたちは、マーカス・エリクソンとベテランのトニー・カナーンがそれぞれ予選5番手と予選6番手という結果になった。そして、ホンダエンジンを使用する他のドライバーもロマン・グロージャン(Andretti Autosport)が予選9番手、佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)が予選10番手だった。これで第106回インディ500の予選は終了し、月曜日はマシンをレースモードに戻してのプラクティスが2時間行われる。そして、決勝まで2日と迫った金曜日にファイナルプラクティスが開催される。いずれも走行時間は2時間となる。スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)「インディ500というイベントは本当に驚くべきもので、1日のうちに起こる浮き沈みの激しさは異常と表現してよいほどです。今日、予選を見るためにスピードウェイに来てくださったファンの皆さんに「ありがとう」と言いたいと思います。チームとHondaには深く感謝しています。今日のポールポジション獲得にはたいへん大きな意味があります。それは僕のカーナンバー9のマシンを担当するクルーたちだけでなく、チームオーナーのチップ・ガナッシ、彼のグループ全体とってたいへん大きな成果です。今日のポールポジション獲得には、チームのスタッフ全員が貢献しています。チームが予選に注ぎ込んだ努力にはすさまじいものがありましたから、その努力が報われたことを本当にうれしく感じています。僕たちのチームはエントリーした5台すべてを予選のファスト12に入れ、4台がファスト6で戦いました。インディカーのチームオーナーであれば誰もが望む状況になっていました。チップとチームの全員を讃えたいと思います。そして、HondaとHPDも同様に讃えたい気持ちです」アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)「予選での僕のマシンは本当に速かったと思います。ファスト6を走ったときのマシンがベストの状態でした。安心してアタックを行うことができました。自分にできることはすべてやった予選でしたが、ポールポジションは僕ではなく、チームメートのスコットが獲得しました。彼は本当にすばらしいドライバーです。僕はまた来年チャレンジし、そのときにぜひともインディ500の初ポールポジション獲得を成し遂げたいと考えています。今年の僕たちのチームは5台体制でインディ500に出場していますが、プラクティスの間から各自がどんなセッティングで走り、その時のマシンはどんなフィーリングで、どんなバランスになっていたのかといった情報を全員で共有してきています。それが僕たちの強さの秘密で、僕のフロントローグリッド獲得につながりました」
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