アストンマーティンF1はハンガリーGPで16項目に及ぶ大規模アップグレード版「AMR26B」を投入し、今季ここ数戦と比べて大きく競争力を改善した。しかし、ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長は、この結果を過大評価すべきではないとの見方を示した。一方で、ホンダとアストンマーティンの開発体制については着実な前進を強調。ザントフォールトで投入予定の新型パワーユニットとさらなる車体アップデートによって、次のステップへ進むことに期待を寄せている。
「ハンガリーGPはサーキット特性も影響した」ハンガリーGPでは、16項目の改良が施されたAMR26Bをフェルナンド・アロンソがQ2進出へ導き、決勝でもランス・ストロールが13位、アロンソが14位でフィニッシュした。シルバーストンやスパ・フランコルシャンといった高速サーキットで苦戦していたアストンマーティンにとって、明らかな前進が見られた週末だった。しかし、渡辺康治社長は、その改善にはコース特性も大きく関係していると語る。「サーキットの特性による部分もあります」ハンガロリンクは空力性能やシャシー性能の影響が大きい低速・中速主体のコースであり、高速区間の多い前戦までとは異なる条件だった。そのため、今回の結果だけでマシンの完全復活を判断するのは時期尚早との考えを示した。ホンダとアストンマーティンの連携は着実に前進慎重な姿勢を見せる一方で、渡辺社長はホンダとアストンマーティンの協力体制については確かな手応えを感じているという。現在は車両全体のパフォーマンスを向上させるための共通認識がチーム内で形成されつつあり、両者が同じ方向を向いて開発を進められていることを成果として挙げた。マシン全体としてどのように性能を引き上げるべきかについて、「明確な共通認識」が構築されつつあり、その点で着実な改善が進んでいると評価した。次の主役はホンダ新型パワーユニットハンガリーGP後には、改良型ホンダ製パワーユニットを搭載したAMR26がハンガロリンクでフィルミングデーを実施。新エンジンとアップグレード版シャシーが初めて組み合わされた。この改良型パワーユニットは、夏休み明け最初の一戦となるオランダGPでレースデビューする予定だ。渡辺社長はアップデートについて、パワーユニットが中心になるとしながらも、車体との一体開発が重要だと説明した。「今回のアップデートはパワーユニットが中心になります。しかし、変更を行う際には一つの要素だけを単独で開発することはありません。常に車体とパワーユニットを一体として開発しています」アストンマーティンのエイドリアン・ニューウェイも、ザントフォールトではホンダの新パワーユニットに加え、AMR26への追加アップデートを投入することを明らかにしている。ザントフォールトが真価を測る重要な一戦に今回のハンガリーGPは、アストンマーティン復調への明るい兆しを示した一方で、その評価には慎重さも必要であることを渡辺社長は強調した。だからこそ、ホンダの新型パワーユニットと追加アップデートが揃って投入されるザントフォールトは、アストンマーティン・ホンダが本当に前進したのかを判断する重要なレースとなる。渡辺社長も「その意味でも、次のザントフォールトでは確かな結果を残したい」と意気込みを語っており、夏休み明け初戦は今後の巻き返しを占う大きな試金石となりそうだ。
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