ホンダは、アストンマーティンとともに戦う2026年シーズンの巻き返しに向け、新仕様パワーユニット(PU)の開発を本格化させている。FIAのADUO(追加開発機会制度)によって改良が認められたことを受け、夏休み前後の投入を目標に開発を加速させており、ホンダF1の折原伸太郎チーフエンジニアは「すでに前向きな結果が出ている」と明かした。一方で、短期間で劇的な性能向上を実現することは難しいと認めており、「F1に魔法は存在しない」と慎重な姿勢も示している。
アストンマーティンは7月後半のベルギーGPまたはバルセロナ・カタルーニャGPで改良型AMR26Bを投入する計画だが、そのタイミングにホンダの新PUが間に合うかは依然として不透明な状況だ。ホンダの新型V6開発は最終段階へパワーユニット開発では通常、まず単気筒エンジンを用いて基礎データを収集し、その後フルスペックのV6エンジン開発へ移行する。折原は現在の開発状況について次のように説明した。「シーズン序盤にはシミュレーションによる複数の検証と単気筒エンジンでのテストを行っていた。現在は完全なV6エンジンの開発段階に移行している」さらに開発の進展についても手応えを感じているという。「ファクトリーではいくつか前向きな結果を確認している。ただし性能開発というのは常に段階的なものであり、時間がかかる。F1に魔法は存在しない」「夏頃には何らかの改善が見られるかもしれないが、劇的な解決策ではなく、一歩ずつ前進していくことになる」ホンダはADUO制度によって認められた開発機会を最大限に活用し、アストンマーティンの競争力向上を目指している。アストンマーティンも新PUに大きな期待アストンマーティンにとって、新仕様PUは今季の巻き返しに向けた重要な切り札だ。トラックサイド・オペレーション責任者のマイク・クラックは、新エンジンへの期待を率直に語った。「より良くなることを期待している」「ホンダとは非常に円滑にコミュニケーションを取れている。我々はシャシーとパワーユニットの両面で改善が必要だと理解している」さらに、両者が現状の課題を共有しながら開発を進めていると説明した。「開発状況や達成したい目標、現在の立ち位置について非常にオープンに情報共有している。そのため大きな前進を果たせるという自信を持っている」アストンマーティンはマシン側の改良と並行してホンダの新PU投入を待っており、後半戦での戦力向上に期待を寄せている。バルセロナでは厳しい現実に直面かただし新PU投入までは、現在のパッケージで戦い続けなければならない。クラックは今週末のバルセロナ・カタルーニャGPについて厳しい見通しを示した。「このサーキットでは弱点を隠すことができない。純粋なレースペースが試されるコースだ」「ミスをせず、多くを学ばなければならない」バルセロナは高速コーナーと長いストレートを兼ね備えたサーキットであり、マシンの総合性能が問われる。そのため現在のAMR26が抱える課題がより鮮明になる可能性が高い。アロンソとストロールにも試練の週末クラックはまた、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールにとっても厳しい週末になると認めた。「このサーキットはマシン性能への要求が非常に高いため、ドライバーにとって最も厳しい週末になるだろう」「現状では我々にできることは限られている。ドライバーたちを過度なネガティブな空気から守らなければならない」ホンダの新PU開発は着実に前進しているものの、アストンマーティンが本格的な反撃に転じるにはまだ時間が必要なようだ。まずはバルセロナ・カタルーニャGPで現状の実力を見極め、その後のアップデート投入へつなげていくことになる。