F1でのアンドレッティとの提携によるホンダ復帰の可能性はほぼ消滅した。アルピーヌのCEOであるローラン・ロッシは、F1参入の入札が成功した場合、フランスのメーカーがアンドレッティにエンジンを供給することに同意したことを確認した。アンドレッティは以前、ルノーとの契約に合意したと主張していたが、フランスのメーカーが公に契約を確認したのはこれが初めてとなる。
アンドレッティはFIAに“関心表明書”を提出し、11番目のチームとしてF1に参加するための正式な手続きを開始することになっており、おそらく早ければ2025年にも参戦する可能性がある。その場合、2026年のF1パワーユニットサプライヤーに登録しているものの、現行F1パワーユニットのサイクルでは“撤退”してレッドブル・パワートレインズに納品する形をとっているホンダがアンドレッティに供給することはそもそも不可能となる。ローラン・ロッシは、ロンドンで行われたアルピーヌの2023年F1マシンの発表会で「彼らがF1参戦のためのライセンスを取得したら、パワートレインを提供することで合意した」とロイターに語った。「しかし、F1サーカスに参加できることを示すのは彼ら次第であり、そのためには、彼らが申請書を提出し、F1サーカスとチーム全般に価値をもたらすことを示すというプロセスを経る必要がある」「彼らがそれを証明し、他の人たちが評価することだ。もし彼らが参加するならば、我々は喜んで彼らに参加するだろう。もし彼らが参加しないのであれば、全体としてうまくいかなかったということだ」また、アンドレッティは『アンドレッティ・キャデラック』として参戦しており、エンジンはキャデラックのバッチがつけられることになる。これは、アルピーヌF1チームとしてワークス参戦しているルノーだからこそ許容できることである。ルノーエンジンは、ハイブリッド以前の時代の最後の数年間を支配していたが、2014年からメルセデスが勝利とタイトルを積み重ねるようになると、すぐにその栄光から脱落した。最後の3シーズンをタグ・ホイヤーに改名し、最終的にレッドブルはホンダへと切り替え、ルノーは、カスタマーチームを持たない状態になった。「セカンドチーム」を持つことで利益が得られるかどうか尋ねられたローラン・ロッシは「あるに越したことはないが、必ず必要というわけではない」と語った。「セカンドチームを利用することもできる。2台でやるより4台でやったほうがより多くのデータが蓄積されるからだ。しかし、それはチームにとっても負担にもなるので、完全に体制を整える必要がある。2年前はそれができなかった」F1がローンチとプレシーズンテストに集中する中、アンドレッティ騒動はひとまず静観しているように見える。しかし、FIAがさらに2チームをグリッドに迎え入れる可能性のあるプロセスを開始する一方で、F1のボスであるステファノ・ドメニカリはアンドレッティに対し、アメリカ人が既存チーム(希釈防止金として6億ドルも要求している)を強欲だと非難することは自分の目的を果たさないという警告を発し、「あまり声を出さない」ように助言している。
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