ホンダF1は、前戦F1イギリスGPでクラッシュに見舞荒れた際にマックス・フェルスタッペンのマシンに搭載されていたエンジンを今週末のF1ハンガリーGPのフリー走行1回目に使用することを確認した。マックス・フェルスタッペンは、F1イギリスGPのオープニングラップでのルイス・ハミルトンとの接触によってコプスの外側のタイヤバリアに180mphでクラッシュ。51Gの衝撃を受けたフェルスタッペンのRB16Bは大破したように見えた。
これは年間1億4500万ドル(約160億円)の予算制限がF1に導入されたことでさらなる痛手となった。レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、マックス・フェルスタッペンのRB16Bの修理に150万ドル(約2億円)がかかることを明らかにしている。ホンダF1は、パワーユニットのできるだけ多くのパーツを回収できることを期待して、F1イギリスGP後にフェルスタッペンのユニットを日本のHRD-Sakuraに送った。その後、ホンダF1は、FIA(国際自動車連盟)からペナルティを受ける可能性のあるいかなるパーツも妥協することなく、パワーユニット修正することできたことを確認した。「パワーユニットは徹底的なチェックのためにSakura(ホンダの日本の研究開発本部)に送り返されました」とホンダF1は The Race に述べた。「また、FIAのシールを破ることなく、レギュレーションで許可されている特定のパーツを交換した」「今週の金曜日にエンジンを使用して本格的なトラックテストを行う。その後、レースエンジンとしての実行可能性がより明確に把握できるはずだ」しかし、マックス・フェルスタッペンのパワーユニットが完全に修理可能、または今後のレースで使用できないことが判明した場合、シーズン後半戦で、レッドブル・ホンダF1にさらに重大な影響を与える可能性がある。F1のパワーユニットは6つのコンポーネントで構成されており、各ドライバーはシーズンを通して使用できる各コンポーネントの使用基数に制限がある。内燃機関(エンジン)、MGU-H、MGU-K、ターボチャージャーは3基まで、エネルギーストア、コントロールエレクトロニクスは2基まで許可されている。だが、そのうちの1基を失うことになれば、残りのパーツの摩耗が増えることを意味し、グリッドペナルティが発生する交換パーツを使用する必要性が高くなる。それにもかかわらず、ホンダF1は少なくともF1ハンガリーGPの最初のプラクティスセッションで事故に見舞われたF1パワーユニットを使用できるようにすることができた。そして、ホンダF1は事故が起こった後もそれができる可能性について楽観的だった。F1イギリスGP後の記者会見でホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は「マシンが持ち上げられている映像を最初に見たときは、大きなダメージがあると思いましたが、実際には、被害は我々が最初に見たものよりも少ないようです」と語っていた。