先週と同じく英国、シルバーストーンサーキットでの開催となった70周年記念GPの1日目、ホンダF1のPUを搭載した4台は特にタイヤマネジメントに注力した。先週と同じように気温が上がる中で、今日はソフトタイヤの理解を深めるために多くの時間をつかう一日になった。FP1ではアストンマーティン・レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが3番手、アレクサンダー・アルボンが6番手と力強い走りを披露。
スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトは9番手、0.054秒遅れたピエール・ガスリーは11番手でFP1を終え、ソフトタイヤでの走行の理解を深めた。FP2ではフェルスタッペンが4番手、アルボン、クビアト、ガスリーが11番手から13番手に並んだ。終盤にフェラーリのPUを使用する2台が立て続けにサーキット上で止まったため、FP2の走行は予定よりも早く終了した。今晩の作業では、今日4台が走った200周のデータを分析し、予選と決勝に向けてベストなセッティングを煮詰めていく。なお、今日のセッションでは、アストンマーティン・レッドブル・レーシングの2台がPUを戦略的な理由で交換している。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「先週末にここシルバーストーンでレースを行っているため、今日はそのデーターからPUのセッティングをさらに最適化し、初日のセッションに臨みました。事前の予報通り、30℃近くまで外気温が上昇した中でも、PUとして大きな問題もなくプログラムを消化することができました。この暑さは日曜まで継続しそうな予報が出ているので、予選とレースに向けて有益なデータを取ることができたと考えています。ここからさらなる最適化に向け、分析を続けていきます。なお、このラウンドから、シーズンを通してのPU使用戦略を考慮したうえで、アストンマーティン・レッドブル・レーシングの2台に2基目のPUを投入しています。今後は1基目のPUと併用しながらレースを戦うことになります。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの2台も同様の考え方ですが、ガスリー選手はすでにハンガリーで2基目を投入していること、クビアト選手は先日のレースでのクラッシュの影響を今日の走行で確認する目的により、今回は2基目の投入は行っていません」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)「今日はやりたいと思っていたことがすべてできたので、いい一日になりました。先週のメルセデスとの差は大きかったため、その状況が数日で変わるとは思っていませんが、そんな中でも自分たちにできることを進めています。今日は多くのことを試してみて、そのいくつかはうまく行っていたように思えましたが、それが正しいかどうかは、今日の分析結果と明日の走行で見極める必要があります。明日の予選では後ろのマシンとは接戦になりそうですが、レースでは先週と同様、一人旅のような状況が続くように思います。今日使用したソフトタイヤは先週よりも柔らかいもので非常に摩耗が激しいので、決勝でのワンストップ戦略はほぼ不可能だと考えています。レースでは多くのマシンが2ストップ戦略をとると思いますが、だからと言って先週から結果が大きく変わるとは思っていません」アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)「今日はセッションを経るごとに自分が望む通りにマシンのセッティングを詰めていくことができました。ここからは明日さらにマシンが早くなるよう、今晩の作業を進めるだけです。今日はとても順調な一日で、セットアップのなかで機能するものとしないものを見極めることができました。今週はタイヤコンパウンドがより柔らかいものに変更されましたが、このサーキットでは少し柔らかすぎるように感じますし、僕自身はあまり好みではありません。ほかのみんなが明日どうするかを見てみたいと思いますが、ソフトタイヤよりもミディアムタイヤの方が速いタイムが出るのではないかと感じています。問題はミディアムとハードのタイヤの本数が週末の中で限られているために、取れる戦略も限られてくるということです。したがって、明日の予選のそれぞれのセッションでどのタイヤを使用するかということが重要になってきます。今日はまだ金曜で、どのマシンも実力を隠している部分がありますが、明日の予選でそれがはっきり見えてくると思います」ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)「実りのある走行ができて、いい金曜日になりました。引き続きタイヤの分析を進め、理解を深めていきたいです。今日集めたデータを解析し、予選と決勝をいい状態で走りたいと思います」ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)「先週ほどマシンのフィーリングがよくなかったので、様々なことをテストしました。いろいろなセットアップを試しましたが、まだベストなセットアップを見つけられていません。先週と同じようにいい状態にするために、もっと分析が必要です。ライバルとの差は小さいですが、予選でQ3に進むためにはもっとパフォーマンスを上げる必要があると思います」