ホンダは、レッドブル・レーシングとスクデーリア・トロ・ロッソとともに2019年のF1世界選手権 第8戦 フランスGPに挑む。F1は再びヨーロッパへと戻り、フランスGPが行われる。2018年にF1カレンダーに復活したフランスGPは、2年目となる今年もポール・リカールで行われる。
今大会はピエール・ガスリーのホームグランプリ。昨年、ガスリーは14番手スタートから1コーナーの混乱を抜け出したが、4コーナーでほかのマシンとの衝突に巻き込まれ、オープニングラップでリタイアした。今年は、走行経験がなかった昨年とは違い、準備が整った状態でフランスGPを迎えることとなる。ミストラル・ストレートではパワーユニット(PU)の性能がオーバーテイクのカギを握るため、注目のポイントとなる。ホンダは、F1フランスGPで“スペック3”版のPU(パワーユニット)を搭載。パフォーマンスの向上を図るためにICEとターボのアップデートが行われ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリー、そして、トロロッソのダニール・クビアトの3台に導入される。田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「シーズン第7戦カナダGPを終え、ここからはフランスを皮切りに7週間で5レースという、欧州での転戦が始まります。レースが行われるポール・リカールサーキットは、昨年からF1のフランスGP開催が再開された伝統のあるサーキットです。4本のストレートに組み合わされたタイトな低速コーナー、長く回り込むような中速コーナー、超高速コーナーのシーニュなどさまざまなタイプのコーナーが配されており、いつもと同様、PU、車体ともに、それらの特徴に合わせたセットアップの最適化が重要になります。なお、このラウンドからフェルスタッペン選手、ガスリー選手、クビアト選手のマシンにスペックのPUを投入することを決めました。今回はパフォーマンスの向上を図るためにICEとターボのアップデートを行っています。現在、F1のPU開発においては、更なる競争力向上を目指し、Hondaのさまざまな開発部門との間で連携を深める事を進めています。特にレース部門との技術的な共通点が多く見られる、航空エンジン研究開発部門との関係を強化し、昨シーズン途中に行ったMGU-Hのアップデート時には、同部門の支援をもとにした技術を適用、信頼性を大幅に向上させました。今回のターボーチャージャーのアップデートでは、これまでIHIと取り組んできたターボにおける空力設計の分野でも、航空エンジン開発部門が有する知見と技術を反映しています。ただし、今回のアップデートではまだ上位のPUマニュファクチャラーに追いつくだけのパフォーマンスレベルには至っていないと考えていますので、引き続きホンダとして総力を挙げて開発を続けていきます」マックス・フェルスタッペン (レッドブル・ホンダ)「フランスはF1の中では最近始まったグランプリなので、全チームにとってチャレンジングです。僕も2018年に初めて走りました。昨年は戦略が功を奏し2位表彰台を獲得しました。コーナーのエントリーの幅が広く、どのサーキットとも異なっていますが、簡単なトラックではありません。歴史があり、安全性が高いトラックは多くのファン、特にピエールのファンの心を掴んでいます。僕の自宅からもそれほど遠くないです。カナダでマシンを最適化し、あらゆる部分での進化を目指して努力しました。マシンのフィーリングがいいので、フランスでは上位との差をさらに詰められると思います」ピエール・ガスリー (レッドブル・ホンダ)「ホームレースなので僕にとって本当に特別な週末です。いつも以上にファンからの声援を受けてサーキットを走るのが、とても楽しみです。可能な限りベストの結果を得るために集中しています。地元ファンの前でいい走りができれば特別な時間になるでしょう。たくさんのファンが僕を応援しに来てくれるので、すごくいい雰囲気になります。ポール・リカールは過去にいい結果が出ているので、好きなサーキットです。ここで初めてレースをした2011年のF4でも優勝しました。Aston Martin Red Bull Racingで競争力のあるマシンとともにこの場所に戻ってこられたので、興奮しています。全力を尽くします」ダニール・クビアト (トロロッソ・ホンダ)「ポール・リカールでF1マシンをドライブするのは初めてなので楽しみですし、前回のモントリオールよりも僕らのパフォーマンスはよくなるのではないかと思っています。カナダGPでは、僕らの競争力はそこまで高くなかったので、戦略的に戦うしかありませんでした。ポイント圏内にとどまるために必死に戦い、なんとか達成できました。最終ラップではマクラーレンをオーバーテイクするために懸命にプッシュして、マシンからできる限りのパフォーマンスを引き出しました。1ポイントではありますが、ヨーロッパに戻り連戦で忙しくなるチームにとっては、自信を深める結果だったと思います。ポール・リカールでレースをした経験はありますが、2011年のフォーミュラ・ルノー・ユーロカップとかなり昔のことです。そのときは2位と3位になりましたが、コースレイアウトは、コーナーが一つ異なるだけで今週末のものとほぼ同じだったと思います。当時のサーキットについてはあまり覚えていませんし、フォーミュラ・ルノーのマシンはF1と大きく異なります。もちろん、シミュレーターで経験はしていますが、なるべく早くコースを学ぶためにも、金曜の走行を待ちきれない思いです。ポール・リカールはカナダのような高速コースで、直線でのスピードは軽視できませんが、多くの高速コーナーやテクニカルセクションもあります。僕らは、ここ数戦でやってきたように、マシンパッケージをサーキットに適合させ、パフォーマンスを引き出せるように取り組んでいきます」アレクサンダー・アルボン (トロロッソ・ホンダ)「カナダGPでは1周目でレースが終わってしまったようなもので、今回が1カ月ぶりのレースのように感じていますから、ル・カステレ(開催地)でのレースが本当に楽しみです。モントリオールは初めてのコースだったので、そこで経験が積めたということ以外、レースについて言えることはあまりありません。街もサーキットも楽しめたので、来年またいい経験ができればと思います。僕が好きなストリートサーキットでのレースを終えましたが、ポール・リカールは、よく知っているコースで、ジュニアフォー...
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