ホンダF1は、2チーム・4台体制となった2019年のF1世界選手権にむけて現場スタッフをおよそ2倍となる30名弱に増強している。F1復帰5年目となる今シーズン、ホンダF1はトロロッソに加えてレッドブル・レーシングという2チームにパワーユニットを供給。開幕戦オーストラリアGPではマックス・フェルスタッペンが3位表彰台を獲得し、ホンダに11年ぶりの表彰台をもたらしていえる。
ホンダは2017年までF1プロジェクト総責任者という役割がすべての活動を統括していたが、2018年からはインディカープログラムを統括していた田辺豊治がテクニカルディレクターとして現場側のオペレーションを担当し、HRD Sakuraでは第2期ホンダF1での成功を収めたホンダエンジンの第一人者である浅木泰昭がパワーユニットの研究開発を統括するという二頭体制にシフトしている。2チーム・4台体制となった今年、ホンダF1は現場のチーム体制を変更。各チームごとにチーフエンジニアを設置し、レッドブルはデビッド・ジョージが担当し、トロロッソのチーフエンジニアは副テクニカルディレクターの本橋正充が兼務。テクニカルディレクターの田辺豊治がそれを統括する。デビッド・ジョージは、田辺豊治とは1993年のインディカー・プロジェクト以来、25年以上の付き合いであり、過去にはF1やNASCARなどのカテゴリーも経験し、レースエンジンを走らせるプロと言える。また技術面から離れたチームマネジメントやチーム/FIAとの交渉、マーケティング面などについては、4月からマネージングディレクターに就任する山本雅史が引き続き担当する。これまでモータースポーツ部長としてSUPER GTやスーパーフォーミュラなどをホンダのモータースポーツ活動全般を統括してきた山本雅史だが、今季からはホンダF1のマネージングディレクターとしてF1に専念する。ちなみにマックス・フェルスタッペンが3位表彰台を獲得したF1オーストラリアGPでは、レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーから「ホンダの山本さんは表彰台の下で涙を浮かべていたよ」とイジられている。