ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介が、マクラーレン・ホンダがF1アゼルバイジャンGPで今シーズン初ポイントを獲得したことで“とても安心した”と語る。ホンダのF1パワーユニットの信頼性とパフォーマンス不足によって、マクラーレンとホンダの緊張関係はますます強くなっている。
しかし、F1アゼルバイジャンGPでは今季初めて2台揃って完走。さらにフェルナンド・アロンソが9位入賞し、マクラーレン・ホンダに今シーズン初ポイントをもたらした。ホンダは、バクーでテストしたアップグレード版の“スペック3”エンジンが、さくらのダイナモでの結果にマッチするコンマ3秒以上のパフォーマンス改善を届けたと考えている。結果について質問された長谷川祐介は「ポイントを獲得でき、とても安心しています」とコメント。「ドライバーはサバイバルレースで非常に良い仕事をしてくれましたし、我々はそれにとても満足しています」「2台揃って完走できたことも非常に重要です」「新しいエンジンとMGU-Hを導入してはいましたが、信頼性に関して大きな懸念はありませんでした」「いくらか信頼性の進歩を示すことができ非常に満足していますし、それによってポイントを獲得できたのはとても良いことです」しかし、長谷川祐介は、ホンダがライバルとのギャップを縮めるにはまだ長い道のりだと認める。「非常にポジティブなことですが、たった1レースでは、非常に自信があるとは言えません」と長谷川祐介がコメント。「パフォーマンスの観点では、13台しか完走しませんでしたし、我々はあまり速くないと言っていいと思います」「アップデートによるゲインは上位勢を捕えるには十分ではありません。ですが、良い進歩です」「マクラーレンはあまり興奮はしていません。上位勢に追いつくような大きなアップグレードではないですからね。ですが、もちろん、彼らも喜んでいます」「ライバルに肩を並べるという我々のゴールは完全には達成していませんが、我々が進歩を果たしていることを彼らに示せることが重要です」ホンダは、“スペック3”エンジンをバクーに1基だけ持ち込み、金曜フリー走行でフェルナンド・アロンソのマシンに搭載。しかし、フリー走行2回目にギアボックス故障が発生したことで、調査のために旧スペックに戻すことになった。ホンダは、そのパワーユニットは無傷だったと考えているが、今週、さくらではさらなるチェックが実施される。長谷川祐介は、ホンダは次戦オーストリアGPで2基の“スペック3”ユニットを準備できることを期待しているが、スペアを製造するための十分な時間があるかどうかは確信していないと語る。「ギアボックス故障に見舞われ、オーバーレブがありました」と長谷川祐介はコメント。「問題はまったく見られていませんが、改めてそのエンジンをさくらでチェックしていきます」2台のスペックエンジンを導入すると思っていますし、問題ないはずです」「たとえスペアがないとしても選択肢はありません。我々は(オーストリアで)2基の“スペック3”エンジンを走らせる必要があります」