ルイス・ハミルトンが、ついにフェラーリで主導権を握り始めたようだ。2025年にフェラーリへ加入して以降、チーム内で優位に立っていたのはシャルル・ルクレールだった。しかし、F1カナダGPではその構図が大きく変化した。モントリオールはハミルトンにとって得意なサーキットであり、一方でルクレールにとっては苦手な舞台でもあったが、その差は想像以上に明確だった。
シャルル・ルクレール「キャリア最悪の週末」シャルル・ルクレールは週末を通して苦戦を続け、自身でも完全にマシンを見失っていたことを認めた。「これは僕のキャリアで最悪の週末だ」とルクレールはRTBFに語った。「プラクティスからずっと、まともなラップを1回も走れなかった。すべてのコーナーで壁に突っ込む気がしていた。ポジティブなことは何もなかった」「でもルイスは僕と違ってしっかり仕事をやった。本当に悪夢だ」「マシンに対してとても奇妙な感覚がある」一方のハミルトンは、フェラーリ加入後でも屈指の内容となるレースを披露。決勝では長年のライバルであるマックス・フェルスタッペンをオーバーテイクし、2位でフィニッシュした。「偉大なドライバーのひとりと戦えたのは本当に最高だった」とハミルトンは振り返った。フェラーリ内部改革が転機に今回の復調の背景には、ハミルトン周辺のエンジニアリング体制変更が大きく関係しているようだ。2025年を通して問題視されていた無線コミュニケーションの混乱を受け、フェラーリは冬の間にレースエンジニアを変更。ハミルトンは新体制との関係が自信回復につながっていると明かした。「今週末はデータを読み解きながら別のセットアップを選んだ」とハミルトンは説明した。「エンジニアとうまく仕事ができている。彼は本当に素晴らしいし、一緒に仕事をするのが楽しい」「ナンバー2エンジニアも今週末は素晴らしい仕事をしてくれた。マシンからさらにパフォーマンスを引き出す助けになった」さらにハミルトンは、舞台裏で求めてきた大幅な変更に対し、フェラーリF1代表のフレデリック・バスールが全面的に支援してくれたことも強調した。「以前から言っているように、僕はいろいろな変更を求めてきた」とハミルトンは語った。「そしてフレッドは本当に協力的だった。僕が快適に仕事できるように、あらゆることをしてくれた。その成果がようやくパフォーマンスに表れ始めている」“シミュレーター断ち”が復活の鍵?さらに興味深いのは、ハミルトンがカナダGP前にフェラーリのシミュレーターを使用しなかったことだ。そして本人は、それがむしろ好結果につながっている可能性があると考えている。「僕はオールドスクールなんだ」とハミルトンは笑った。「たぶん僕にはシミュレーターなしの方が合っている」「これまで良かったレースを見返すと、シミュレーターを使っていなかった。2008年を除けば、タイトルを獲った頃もほとんど使っていなかった」「もちろん強力なツールではある。でも僕にとっては、必須ではないのかもしれない」フェラーリ加入以降、適応に苦しんできたハミルトンだが、モントリオールでは明確な転機を感じさせた。一方でルクレールは、自身でも認める“キャリア最悪”の低迷に直面しており、フェラーリ内部の力関係にも変化が生まれ始めている。Source: GMM