ルイス・ハミルトン(フェラーリF1)は、2025年シーズンを通して厳しい戦いに直面し続け、最終戦アブダビGP後に「この冬は誰とも話さない。完全にマトリックスから抜けたい」と語った。シーズン前に掲げていた高い期待とは裏腹に、表彰台ゼロ、選手権6位という結果に終わり、最後の3戦はいずれもQ1敗退。フェラーリ加入初年度は苦いものとなった。アブダビGPでは8位まで巻き返したものの、ハミルトンの心はすでにオフシーズンへ向いていた。「現時点で楽しみにしているのは休暇だけだ」と語り、完全に現場から距離を置く意向を示した。
「この冬は誰とも話さない。携帯も持たない」ハミルトンは、自身の今の心境を次のように語った。「今はとにかく休暇だけを楽しみにしている。完全に切り離して、誰とも話さないつもりだ。この冬、僕に連絡できる人はいない。携帯も持っていかないし、楽しみなのはそこだ。完全にマトリックスから抜けるよ」さらに、携帯を手放すのは初めてかと問われると、こう答えた。「いや、これまではいつも持っていた。でも今回は“ぶっ壊して捨てる”つもりだ」40歳となったハミルトンのコメントは、ここ最近のメディア対応でも見せていた疲弊ぶりを象徴するものだった。フェラーリでの初年度は、期待の大きさと現実のギャップが常に心を圧迫していたとみられる。「毎週の撮影。いつか、あれを全部やらなくていい日が来るのを待っている」ハミルトンは、レース以外の業務負担が精神的に重くのしかかっていることも明かした。「ここから離れるのが待ちきれない。毎週の撮影とか、そういう類のもの。いつか、そういうことを全部やらなくてもいい日が来るのを楽しみにしている」とはいえ、レースへの情熱までは失われていないという。「それでも続ける理由? レースへの愛、支えてくれる人たち、そして夢だ」「続ける理由は、やっていることへの愛情、レースへの愛だ。周りの人々の支え、ファン、そして夢を持ち続けること。僕にはまだ夢があるんだ」2026年にはレギュレーションが刷新され、フェラーリが巻き返す可能性も指摘されている。ハミルトンの言葉には疲労と葛藤がにじむ一方で、競争への情熱と“まだ終わっていない”という覚悟も残っている。
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