ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、2025年F1ラスベガスGP決勝を8位で終え、週末全体を「最悪の週末だった」と振り返った。予選ではキャリア初となる“純粋なペース最下位”を喫し、決勝ではブレーキの不安定さやバランスの乱れに苦しみ続けた。ハミルトンは予選でキャリア初となる“純粋なペース最下位”を経験。決勝ではポジションを取り戻したものの、本来の競争力を示すには至らず、フィニッシュは10位。ただしマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリの失格により、最終結果は8位へ繰り上がっている。
ハミルトン「ブレーキがまったく安定しなかった」ハミルトンはレース序盤の手応えについて問われると、強い否定から返した。「いや、すごく苦労した。スタート直後からバランスが悪くて、今回は本当にブレーキがひどかった。フロントがロックしたり、リアがロックしたり、その中間がまったくなかったんだ」さらに、ヘースティング中にニコ・ヒュルケンベルグを追っていた場面でも本来のペースを発揮できず、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)との接触でマシンにダメージを負ったことで、状況はさらに悪化したという。苦境が続くフェラーリ、メンタル面でも厳しい週末フェラーリF1加入初年度のハミルトンは、サンパウロGPのリタイアに続き、今回もレースウィークを通して苦戦。マシンの挙動が安定せず、タイヤウィンドウにも入れられない場面が目立ち、セットアップの迷走が続いた。ハミルトンは「最悪の週末だった。またひとつ厳しいレースを追加することになった」と総括し、精神的にも厳しい状況が続いていることをにじませた。「ひどい気分だ」「最悪のシーズン」──重く沈んだハミルトンの“本音”決勝後、ハミルトンはSky Sportsに対し短いコメントを残した。「ひどい気分だ。最悪のシーズンだし、どれだけ頑張っても悪化していく」「車の内外でできる限りのことをしているんだ」40歳となったハミルトンは、メルセデスからフェラーリへの移籍1年目で苦しい状況に置かれている。表彰台はまだゼロ。期待の“赤い初年度”は、現時点で「悪夢」と形容されるほど厳しい時間となっている。フェラーリ加入初年度は“苦難”の連続──ルクレールに大差をつけられ、アントネッリにも迫られるハミルトンはドライバーズランキングで6位。フェラーリのチームメイト、シャルル・ルクレールには73ポイント差をつけられ、加入初年度で明確に後れを取っている。さらに、ハミルトンの後任としてメルセデスに加入したキミ・アントネッリが快走し、現在は17ポイント差。残り2戦で逆転される可能性も十分にある。ジェンソン・バトンが語る“精神的負荷”──「初めて本当に落ち込んだ姿を見た」ジェンソン・バトンはSky Sports F1で、長年の仲間であるハミルトンについてこう語った。「ルイスは今年、本当によく自分を保ってきたと思う。厳しいレースが続くのに、それでも冷静だった」「でも今回は、初めて彼が本当に落ち込んでいるのを見た。それがどれだけ精神的に重いものかが分かる」「ただ、彼は気持ちを切り替えるのがうまい。悪いレースの後でも翌戦ですぐ立ち直る。これも今回だけで、また戻ってくるはずだ」今季残り2戦──“ゼロ表彰台”のまま終われないハミルトンハミルトンの2025年シーズンは、上海のスプリント勝利を除けば明るい材料が乏しい。フェラーリ加入初年度としては厳しい一年で、表彰台ゼロのまま終わる可能性も現実的となってきた。40歳のハミルトンが、この落ち込みの先に何を見いだすのか──シーズン最終盤の戦いは、その答えを示す重要な時間となる。
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