F1イギリスGP後、ルイス・ハミルトンが不満を抱いたのはフェラーリの戦略だったが、識者は「真の問題は別にある」と指摘している。母国レースでハミルトンは表彰台争いのさなかにスリックタイヤへの交換を決断。しかし結果的にニコ・ヒュルケンベルグに敗れて4位に終わった。その一週間前のオーストリアGPでも戦略面での不満を訴え、チームと話し合いを行ったばかりだった。
しかしSky Sportsのナオミ・シフはシルバーストンでのハミルトンの主張に異議を唱えた。「フェラーリ勢、特にハミルトンにとって望んだ展開ではなかった。週末を通して高いポテンシャルがあったのに」としつつ、「ただ、ハミルトンが戦略が原因だと言っていた点は私には理解できなかった」とコメント。「実際には、ヒュルケンベルグやストロールのように特別な走りをしたドライバーの影響を受けていたし、一時はピエール・ガスリーにも抜かれていた」「ランド・ノリスやオスカー・ピアストリ、マックス・フェルスタッペンと同じ戦略を取っていた。結局、問題は『マシンとの相性』だった。彼は純粋な速さで劣っていた。クルマにうまく馴染めなかったというだけだ」「華麗なオーバーテイクもあった」とバトンは評価一方、同じSky Sportsの解説を務める元F1王者ジェンソン・バトンはハミルトンの走りを称賛した。「いい仕事だったと思う。ジョージ・ラッセルと何周にもわたって激しく争っていたし、ターン3で2台を一気に抜いたあの場面は本当に美しかった。メガだったよ」この4位という結果は、フェラーリ移籍後のハミルトンにとってシーズンベストタイと並ぶ成績。前年の同GPではメルセデスで優勝していただけに、物足りなさは否めない。苦戦が続く中で、ハミルトンは「今回の問題を通じて、2026年仕様のフェラーリ開発に役立つフィードバックが得られた」と前向きに語っている。イタリアメディアでは、2007年以来遠ざかっているフェラーリのドライバーズタイトルを奪還すべく「スター選手の意見を真摯に受け止めるべきだ」との論調も強まっている。ハミルトンは来季、その悲願の実現を目指す。