ルイス・ハミルトンは、メルセデスが2016年も同じ開発手法を継続する場合、2015年シーズン後半戦での予選ペースの低下が続く可能性があると懸念している。2015年シーズン、開幕から12戦で11回のポールポジションを獲得してポールトロフィも獲得したルイス・ハミルトンだが、後半の7レースは最上位グリッドを確保するのに苦戦した。
ターニングポイントになったのはメルセデスが大スランプに陥ったF1シンガポールGP。ナイトレースの市街地コースでハミルトンとニコ・ロズベルグのメルセデスは、フェラーリやレッドブルのペースについていけなかった。シンガポールでの不振の原因を調査したメルセデスは、マシンのセットアップに変更を加えており、それによってルイス・ハミルトンがマシンバランスに満足できなくなった一方で、ニコ・ロズベルグは一発の速さを取り戻し、終盤6戦で連続ポールポジション獲得を成し遂げている。ルイス・ハミルトンは、終盤戦で異なるセットアップを試したものの、好みのマシンに仕上げることができず、2016年のメルセデスのF1マシンが同様の特質を持つのであれば冬の間に問題を解消しておくことが重要になると考えている。メルセデスの開発の方向性について質問されたルイス・ハミルトンは「来年、僕たちがどのような道に進むのかは、もちろん考えている。エンジニアとじっくり話をしているし、どうやって修正するかを考えていかなければならない。グラフを見ると、すべてのレースで徐々にアップしていたものが、あっという間に下がってしまっている。バルセロナ以外、最初の12戦のマシンは最高だった」とコメント。「シンガポール以降のバランスはひどかったし、特にアブダビは最悪のラップだった。理由を解明しなければならない。きっと方法はある。ニコのマシンは彼の手にかかると本当にうまく機能しているみたいだからね。レースでは基本的にとても良いので、予選でどうして駄目なのかを探っていく必要がある」メルセデスのモータースポーツ責任者トト・ヴォルフは、F1シンガポールGP以降に開発の方向性に変更があったことを認めているが、それがルイス・ハミルトンのパフォーマンス低下の要因になったと言うのは気が進まないようだ。「最も可能性の高い疑惑といったところだろうか。マシンは開発され、改良されている。シンガポール後は方向性を変えて開発した。シンガポールの週末で得たことから学んだ。マシンがニコ向きだとかルイス向きだとか、それが要因になったとは思っていない。たったひとつの理由にしたくない。とても多くの要因が重なった結果という可能性がある」「私にもわからない。ニコが前進したという意見もあれば、開発的に彼向きになったとも言われたり、ルイスが無意識に気を緩めていたと言われたりもしている」「(アブダビが終わって)数週間以内には分析した上で合理的なリストを得ているべきだ。理由を見つけ出さなければならないと思っている。とはいえ、最終的にルイスに関してはワールドチャンピオンシップのタイトルを獲得したことが重要であって、最後の数戦はニコが本当に素晴らしいドライビングを披露したんだと思う」
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