2026年シーズン序盤に好スタートを切ったハースF1だが、シーズンが進むにつれて開発競争でライバル勢に後れを取り、順位を落としている。チーム代表の小松礼雄は、その原因はスタッフの能力ではなく、限られた人員や設備といったチーム環境にあると説明。十分な開発環境を提供できなかった責任は自分にあると認めた。
序盤の躍進は「予想をはるかに超えていた」2026年にF1は大幅なテクニカルレギュレーション変更を迎えたが、ハースは開幕戦オーストラリアGPでオリバー・ベアマンが7位、中国GPでは5位に入るなど、期待以上のスタートを切った。小松礼雄は、この結果について次のように振り返った。「今シーズンここまでの流れは、このチームの良い面も悪い面もすべて表していると思います。シーズン序盤のあれほど強いスタートは、僕の予想や期待をはるかに超えるものでした」「今回は史上最大規模のレギュレーション変更でした。グリッドで最も小さなチームである僕たちは、新規参戦のキャデラックを除けば最後尾付近から始まると本気で思っていました」そのうえで、基本を徹底したことが好結果につながったと説明した。「僕たちは基本に集中しました。予定どおりマシンを完成させ、すべてのテストを消化し、信頼性を確保しながらできる限り多くを学ぼうとしました。走らなければ学べませんからね」「その基本は非常にうまくできました。一方で、途中でいくつかミスもありました。それでも開幕戦までには、自分たちの持っているパッケージを最大限引き出す理解は十分にありました」さらに、小松は与えられた力を確実に結果へ結び付けることの重要性を強調した。「僕はいつも『チャンスを生かせる位置にいなければならない』と言っています。5位を争えるクルマなら5位を獲るべきですし、それが10位や15位のクルマでも、その位置にいなければいけません」「15位のクルマでも前で何が起きるかは分かりません。だからこそ基本をしっかりやる必要があります。序盤の好スタートは、それを実践したチーム全員のおかげです。本当に素晴らしい仕事でした」開発競争で後退した原因は「環境」にあるしかし、開幕6戦で5度の入賞を記録した後、ハースはアップデート競争でライバルに追い抜かれた。小松は、その責任はスタッフではなく、自身が整えられなかったチーム環境にあると語る。「その後の開発競争で起きたことは、僕たちが置かれている制約の多い環境を示しています」「人数も、使えるツールも、利用できるリソースも限られています。その制約の中でも、みんなは本当に素晴らしい姿勢を見せてくれています」「問題から目を背けることなく、オープンで透明性のある形で向き合い、できるだけ早く改善しようとしています」そして、自らの責任について率直に認めた。「彼らが本来の力を発揮できる環境を、僕がまだ提供できていないということです」「だからこそ、できるだけ早くその環境を整えたいと思っています。開発競争で後れを取ったことは、決してスタッフの能力を反映したものではありません」「問題は彼らが置かれている環境であり、それは僕の責任です。彼らが本当のポテンシャルを発揮できるよう改善を進めています。約400人という規模で、これだけの成果を上げていること自体が本当に驚くべきことです」「激しい開発競争は想定内だった」一方で、小松は現在の状況そのものには驚いていないという。「これは完全に予想していました。新しいレギュレーションでは、どのチームにも改善の余地が大きく残っています。だから開発競争がこれほど激しくなることは分かっていました」「僕たちが追いつき続けるのは非常に厳しい戦いになるとも分かっていました。制約がある以上、すべてが完璧でなければなりません。しかし現実には、すべてを完璧にはできません」「だから今の位置にいるのです。しかし、開発競争がこれほど熾烈だったこと自体は、まったく驚きではありません」今回の発言からは、ハースの成績低下をスタッフの能力不足ではなく、組織規模や設備といった構造的な制約によるものと捉えていることがうかがえる。小松は責任を自ら引き受け、チームが本来の力を発揮できる環境づくりを最優先課題として進めていく考えを示した。
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