ハースF1チームは、デビュー戦となったアメリカGPでパフォーマンス不足に陥ったにもかかわらず、2023年のF1マシンは妥協したメジャーアップグレードのおかげで「もっともっと良くなる」と主張している、パフォーマンスを向上させ、シーズン全体の足かせとなっていたレース中のタイヤ摩耗の問題を最終的に解決するために、ハースF1チームは大規模なアップデート(新しいフロア、サイドポッド、エンジンカバー)をオースティンに持ち込み、レッドブルが先駆けたダウンウォッシュサイドポッドデザインを集結する最後のチームとなった。
しかし、ドライバーのケビン・マグヌッセンとニコ・ヒュルケンベルグは、先週末の土曜日のスプリントレース後、最終的なペースやタイヤのデグラデーション率に目に見える変化を感じられなかった。マシンのセットアップを煮詰めるため、二人は日曜日のアメリカGPをピットレーンからスタート。リヤウイングの仕様はパルクフェルメのレギュレーションを破って変更された。ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールは失格となり、ヒュルケンベルグは11位、マグヌッセンは14位だった。ハースF1チームのチーフデザイナーであるアンドレア・デ・ゾルドは、アップグレードされたVF-23には広範囲に開発可能なプラットフォームが備わっていると主張した。「すでに良くなっている。以前のパッケージよりも少し良くなっている。この(初期の)段階でパフォーマンスが向上しているのはいい点だと思う」とデ・ゾルドは語った。「もう少しパフォーマンスが良いものもある。だが、このプラットフォームはもっと発展させることができる。したがって、全体的に見れば、たとえ当初は大きな一歩を踏み出せなかったとしても、我々が見ているものはポジティブなものだと思う」。デ・ゾルドは、ダウンフォースのシミュレーションによる向上が風洞から現実のコンディションに反映され、空力プラットフォームがより安定するようになったことで、タイヤ問題を引き起こしていたアウトウォッシュの問題に対処できるようになったと付け加えた。以前はターンイン時にリアのダウンフォースが失われていた。しかし、モノコック側面の現行のホモロゲーション・クラッシュ構造の範囲内で作業する必要があったため、アップデートに妥協が生じたことを認めた。「もっと極端なこともできたかもしれないが、今年それを変えるのは不可能だった。完全に新しいシャーシを作成する必要がある」とデ・ゾルドは語った「だから、受け入れるしかなかった。やりたいことをすべてやったわけではない。だが、それは来年に託すことにしよう」「今年すべてを変えるのはかなり難しい。我々は来年を目標にしている。一歩一歩学び、改善していくものなんだ」「このパッケージでは、旧パッケージよりもはるかに改善することができる。すでに同等かそれ以上のパフォーマンスを発揮するものを得ることができまている。これはすでに良い出発点だ」ハースF1チームは、新しいコンポーネントを時間内に取り付けるためにオースティンのワークショップを借りたが、デ・ゾルドはパッケージが「急ぎ」だったことを認めた。同氏はまた、チームが残りのシーズンでは細部の変更のみを行う予定であることも認めた。