ジョージ・ラッセルは、2026年F1ハンガリーGP決勝のスタートで大きく順位を落とした原因について、スタート直前にエンジン回転数が異常な挙動を示し、アンチストール(エンスト防止機能)が作動したためだったと明かした。6番グリッドからスタートしたラッセルは、シグナル消灯と同時にマシンが加速せず、一気に最後尾まで後退。それでも見事な追い上げを見せて7位まで挽回したが、またしてもメルセデスの技術的トラブルに見舞われる結果となった。
スタート直前にエンジンが異常な挙動ラッセルによると、異変はスタートシグナルが消灯する約4秒前に発生したという。「回転数を維持するためにアクセルを踏んでいたんだけど、スタートライトが消える4秒くらい前に、突然エンジン回転が勝手に上下し始めたんだ」「アクセルで調整しようと反応していたけど、まったく効かなかった。つまりエンジンがアクセル操作に反応していなかったんだ」その結果、クラッチをつないだ瞬間にマシンは失速し、アンチストールが介入。一気に最後尾付近まで後退した。レース後、同様のトラブルを経験したことがあるかと問われたラッセルは、新品のパワーユニットで発生した予期せぬ問題だったと説明した。「いや、初めてだ。今回は新品のエンジンだった。プレシーズンテストで似たような症状を見たことはあったと思う。でも詳しい原因は分からない」トト・ヴォルフ「ミスが多すぎる」メルセデスF1代表のトト・ヴォルフも、エンジン制御の異常が原因だったことを認め、チーム側の度重なるトラブルに強い不満を示した。「またジョージに問題が起きてしまったようだ」「10%ほどアクセルを開けたところでエンジン回転が最大まで跳ね上がり、その後アクセルを戻すと今度は失速した。こうしたミスがあまりにも多すぎることに、本当に満足していない」「それがスタートで順位を落とした理由だ。その後は非常にいいレースをした。トラフィックをうまく処理し、獲得可能だった最大限の結果を持ち帰ったと思う」「失望する段階は過ぎた」ラッセルはレース後、自身の2026年シーズンについて「失望する段階はもう過ぎた」と率直な心境を語った。「毎回起こることにいちいち失望していたら、毎日失望し続けることになる。だから前向きでいようとしている」「また技術的な問題でレースが完全に台無しになってしまった。でもポジティブな点もある」「レースペースは本当に良かった。チームからも誰にも引けを取らないペースだったと言われた。そんな感触はここ2〜3戦はなかったからね」「そこは前向きに受け止めたい。でも今シーズンに起きたことを並べていくと、本当に信じられないくらいだ」不運が続く2026年シーズン今回のトラブルは、ラッセルにとって今季続く不運の新たな一例となった。前戦ベルギーGPではオープニングラップで電力デプロイメントに問題が発生して順位を落とし、その後ルイス・ハミルトンとの接触も喫した。さらに今季は、カナダGPで首位走行中のパワーユニット故障、モナコGPで本来受ける必要のなかったピットレーン速度違反によるドライブスルーペナルティ、シルバーストンでのストレートスピード不足、日本GPでバーチャルセーフティカーのタイミングに勝利のチャンスを阻まれるなど、不運が続いている。それでもハンガリーGPでは最後尾付近から7位まで追い上げ、メルセデスW17のレースペースには確かな手応えを得た。チームはスタートトラブルの原因究明を急ぐとともに、後半戦に向けて信頼性の改善が求められる。