中国のEV大手BYDによるF1参入への関心が高まるなか、フォーミュラEは冷静な姿勢を崩していない。フォーミュラE CEOのジェフ・ドッズは、BYDがF1を選択したとしても「フラストレーションはない」と語った。さらにドッズは、中国メーカー獲得の可能性をBYDだけに限定していないことも強調。中国市場を重視するフォーミュラEだが、他にも有力なメーカー候補が存在するとの認識を示した。
BYDのF1接近が鮮明にBYDは近年、モータースポーツへの本格参入を模索しているとみられている。当初はフォーミュラEへの参戦が有力視されており、今年のメキシコシティE-Prix開催週には関連イベントも実施された。しかしここ数か月で状況は変化している。BYD副社長のステラ・リーはF1 CEOのステファノ・ドメニカリと会談を行い、モナコGPのパドックにも姿を見せた。また、レッドブル元代表のクリスチャン・ホーナーとも協議を行ったと報じられている。こうした動きから、BYDがF1参入の可能性を真剣に検討しているとの見方が強まっている。フォーミュラE CEO「フラストレーションはない」BYDは長らくフォーミュラEにとって最も有力な中国メーカー候補のひとつと考えられてきた。しかしドッズCEOは、仮にBYDがF1を選択したとしても気にしていないと語る。RacingNews365のインタビューでドッズは次のように説明した。「僕がフラストレーションを感じるのは、自分でコントロールできることだけだ。そしてBYDがフォーミュラEに参戦するかどうかは、僕がコントロールできることではない」「だから気にしていない。もしBYDが本格的にモータースポーツへ参入し、F1を選ぶのであれば、むしろ両カテゴリーに参戦するのは理にかなっていると思う」「そうなれば電動レースのプログラムも持つことになるからだ」さらにドッズは、仮にBYDがF1参入を決断したとしても、その実現には長い時間がかかるとの見方も示した。「もし彼らがF1に参入したいのであれば、それはおそらく長い道のりになる。だからフラストレーションはない」中国メーカーはBYDだけではない今回の発言で特に注目されたのは、フォーミュラEがBYD一社に依存していない姿勢を明確にしたことだ。ドッズは、中国メーカーへの関心は高いものの、その対象はBYDだけではないことを示唆した。中国には世界的なEVメーカーが数多く存在しており、フォーミュラEとしては複数の選択肢を視野に入れている。そのため、仮にBYDがF1への道を選んだとしても、フォーミュラEの中国市場戦略そのものが揺らぐわけではないという自信がうかがえる。F1とフォーミュラEの両立も選択肢ドッズは、BYDがF1とフォーミュラEの両方に参戦する可能性についても否定しなかった。現在、多くの自動車メーカーが複数カテゴリーでモータースポーツ活動を展開している。F1をブランド価値向上の場として活用しながら、フォーミュラEで電動技術をアピールする戦略は十分に現実的だ。現時点でBYDは具体的なモータースポーツ参入計画を発表していない。しかし、F1首脳陣との接触が相次いでいることから、同社が将来的な選択肢を幅広く検討していることは間違いない。BYDが最終的にどのカテゴリーを選ぶのか、あるいは両方への参戦を目指すのか。その判断は、今後のモータースポーツ界における中国メーカーの存在感を占う重要な指標となりそうだ。
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