フォーミュラEは、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、中国で3月21日に予定されていた三亜E-Prixを中止にすることを決定した。中国を中心に感染が広がる新型コロナウイルス。中国本土での死者は300名、感染者は1万4000人を超え、WHO=世界保健機関は新型コロナウイルスについて、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だと宣言した。
フォーミュラEは「コロナウイルスの継続な拡散を考慮し、海南省および三亜市政府の関連部門との緊密な協議の後、フォーミュラE、FIA、中華人民共和国自動車およびオートバイスポーツ連盟(CAMF)、地域パートナーのEnova Holdingsは、2020年3月21日の予定されている三亜でのレースを行わないことを共同で決定した」と声明で発表。「現在の健康への懸念が高まり、世界保健機関がコロナウイルスを国際的な緊急事態と宣言しているため、フォーミュラEは旅行スタッフ、チャンピオンシップ参加者、観客の健康と安全を確保するために必要な措置を講じます」「我々たちは、地域パートナー、海南省および三亜市政府の地方当局と緊密に協力して、状況の進行を監視し続けています。状況が改善された場合、すべての関係者は、潜在的な代替日付の実行可能性を調査するために適切な時間をかけてきます」今後、感染者は重慶や北京、上海、広州などで急増した後、4、5月ごろにピークを迎え、6月ごろから減少するとの見解が示されている。この試算が正しければ、4月17日~19日に開催が予定されているF1中国GPは、新型コロナウイルスの拡大がピークの時期に開催されることになる。ウイルスの震源地である武漢は、F1中国GPが開催される上海からわずか800kmの距離にある。日本やアメリカ、欧州連合(EU)、オーストラリア、韓国などはすでに、市民の帰還に乗り出している。多くのF1チームが拠点を構えるイギリスでの外務省は、先週金曜日に初の感染者が確認され、中国本土全体での“最も重要なな旅行以外のすべて”を取りやめるよう勧告。大手航空会社ブリティッシュ・エアウェイズは中国本土とイギリスを結ぶ全ての直行便を当面の間、運休すると発表している。FIAは、22戦の2020年F1カレンダーの第4戦となるF1中国GPの運営に関して「今後のレースカレンダーを検討し、必要であれば世界的なモータースポーツコミュニティと、一般の人々を保護するために必要な措置を講じる」と述べている。