2026年F1シーズンに向けて、FIA(国際自動車連盟)は予選フォーマットの一部を微調整することを正式に確認した。変更点はQ3のセッション時間で、最終パートに1分が追加される。予選全体の所要時間はこれまで通り1時間だが、Q2とQ3の間のインターバルを1分短縮することで、Q3を13分間とする。
最終アタック集中によるピット渋滞への対応近年の予選では、路面コンディションが最も良くなる終盤に向け、各チームがドライバーを可能な限り遅いタイミングでコースインさせる傾向が強まっていた。前走車との最適な間隔は約6秒とされ、わずかなトウ(スリップストリーム効果)を得つつ、コーナーでダウンフォースを乱さない距離が理想と考えられている。しかし2025年には、セッション終盤にほぼ全車が同時にピットレーン出口に並ぶ光景が増加。アンセーフリリースのリスクや、タイム計測を間に合わせられない危険性が指摘されていた。さらに、デルタタイム規制によりアウトラップで極端にペースを落とすこともできず、ピットレーンやコース上での交通問題に対するドライバーからの不満も高まっていた。今回のQ3延長は、各車により余裕を持ってアタックラップを行わせることで、終盤の混雑緩和と戦略的プレッシャーの軽減を狙った措置といえる。エステバン・オコンが語った予選の難しさハースF1チームのエステバン・オコンは、2025年アゼルバイジャンGP予選でのポジション争いについて次のように語っていた。「今はほとんどすべてにルールがある」「アウトラップで好きなだけゆっくり走ることはできない。デルタを守らなければならないからだ。ピットレーンでもある程度制限があるし、レース中も同様だ。どこへ行っても制限されている」「全員が止まっている状況では、簡単に合流することもできない。みんな動かなければならない。もし出るタイミングが遅れれば最後尾になりかねないし、全員が5秒間隔を取ってデルタに縛られていると、追いつくこともオーバーテイクすることもできず、ラインに間に合わない危険がある」「チームにとっても極めて難しく、非常にストレスが大きい。メカニックは『行くのか? 行かないのか?』と周囲を見ながら必死に判断している。本当に異様な状況だ」「デルタは安全のためにあるのは理解している。インラップなどで遅くなり過ぎないためだ。ただ、以前のようにもう少し自由があって、アウトラップでポジションを調整できた頃の方が好ましかった」22台体制復活で脱落台数も変更2026年はグリッドが22台体制に戻るため、Q1およびQ2では下位6台が脱落する形式となる。従来の5台から1台増える形だ。■2026年F1予選フォーマットQ1:18分(17番手〜22番手が脱落)Q2:15分(11番手〜16番手が脱落)Q3:13分(トップ10でグリッド決定)■2026年F1スプリント予選フォーマットQ1:12分(17番手〜22番手が脱落)Q2:10分(11番手〜16番手が脱落)Q3:8分(トップ10でグリッド決定)フォーマット自体は成熟段階に入っているが、戦略の最適化が進んだ結果として生じた“終盤集中型”の副作用に対し、FIAが微修正を施した形となる。2026年の新レギュレーション時代においても、予選の緊張感は維持されつつ、より安全で公平な環境が整えられるかが注目される。