2026年F1シーズンに向けた準備は、まもなく「公式」な段階に入ろうとしている。各チームは今後2週間にわたり、バーレーンで2回の3日間テストを実施し、新型マシンの検証を進める。その前哨戦となったのが、非公開で行われたバルセロナでの5日間の「シェイクダウン・ウィーク」だった。この走行ではメルセデスが強さを見せ、パドックの空気を大きく揺さぶる結果となった。
昨年末以降、メルセデスが内燃エンジンの圧縮比に関して抜け道を見つけたのではないか、という噂が流れている。当時から競合メーカーが不満を抱いているとされていたが、バルセロナでのパフォーマンスが、その疑念にさらに火を注ぐ形となった。報道によれば、レッドブルがフェラーリ、アウディ、ホンダと足並みを揃え、メルセデスの手法に反対しているという。反対勢力は拡大しており、この4社はできるだけ早期の解決を求めている。最近行われたエンジンメーカー会合からの情報によれば、4社はいずれも、シーズン開幕戦オーストラリアGPまでに納得のいく解決策が示されることを期待しているという。事態は緊迫している。メルセデスはエンジンが完全に合法であるという立場を崩していない一方、FIAは「すべての関係者が納得できる解決策」を模索していると述べている。FIAの技術部門を率いるニコラス・トンバジスとヤン・モンショーは、月曜日に公開されたYouTube動画で、世間の関心が最も高い疑問に答えた。「エンジニアたちは非常に賢く、常にアドバンテージを追い求めている」とトンバジスは語った。「中には、エンジンが高温状態で作動しているときに、性能を引き上げられる可能性のある方法を見つけた者もいる。それが、まさに今我々が議論している点だ」「ヤンとともに、これらの問題をどう解決するかについて多くの時間を費やしてきた。我々の意図は当然、シーズン開幕までに解決することにある」「我々は論争を望んでいない。コース上で競い合ってほしいのであって、法廷やスチュワードルームで争ってほしいわけではない。そのために取り組んでいる」「ルール解釈選手権」にはしないバルセロナでは、各チームが初めてライバルの実力を垣間見た。例年どおり、プレシーズン後半に向けて多くの変更や改良が施されることになるだろう。シェイクダウン・ウィークでは、アストンマーティンのAMR26が遅れて走行に加わり、最大の話題を呼んだ。英国の天才デザイナーによる数々の極端なソリューションは、レギュレーションの限界を突いていると見る向きもある。関係者によれば、ライバルチームは、バーレーンでシルバーストン拠点のチームがどのような仕様を持ち込んでくるのかを注視しているという。ただし、注目すべきアイデアを披露するのはアストンマーティンだけとは限らない。バーレーンで準備が本格化すれば、FIA技術部門が各チームからの声明要請や、新たなソリューションに関するルール解釈の質問で殺到される可能性は十分にある。トンバジスは、その事態を想定したうえで次のように語っている。「我々は、最高のドライバー、最高のエンジニア、最高のチームによる競争の選手権にしたいと考えている。ルール解釈の競争にはしたくない」「工学的な能力とドライビングの能力を競う選手権にしたいのであって、『誰が一番うまくルールを解釈できるか』を競う場にはしたくない」バーレーンで状況がさらに熱を帯びれば、少なくとも世間の注目という点では、圧縮比問題以上に技術革新そのものが話題の中心になる可能性も否定できない。
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