今週、FIA(国際自動車連盟)にフェラーリの2019年F1エンジン論争について内容開示を求めた7つのチームは、3月5日(木)の返答に納得しておらず、和解の取り扱いについて明確にすることを再度要求したと報じられている。昨年、フェラーリの2019年F1エンジンは夏休み以降に大きな改善を果たした。疑惑の目をむけたライバルチームは燃料流量システムの不正行為を指摘。その後、FIAは立て続けに技術指令を発行し、そのタイミングでフェラーリの戦闘力は低下した。
だが、FIAは2月28日(金)にフェラーリとの間で“和解”に到達したと発表。また、和解の一環としてフェラーリはFIAの“二酸化炭素排出量と持続可能な燃料”の研究開発を支援すると述べた。しかし、詳細な内容はフェラーリとFIAの間にで保持するとし、発表のタイミングもF1プレシーズンテスト最終日の1時間前というメディア対応を掻い潜るタイミングであったので、ライバルチームの怒りを買った。その結果、フェラーリのカスタマーであるハースとアルファロメオを除く7チームが、FIAにフェラーリとの間で交わした合意について内容の開示を求めて共同声明を発表するという異例の事態に発展した。FIAは3月5日(木)に声明を発表。7チームからの要求に対し、フェラーリのパワーユニットがレギュレーションの制限内で動作していないという疑念を持ったことを認めつつも、違反の明確な証拠を提供することは実質的に不可能だとし、和解契約の機密性は司法規律に従って決定されたとして内容を開示することを拒否した。そのため、メルセデスとレッドブルが率いる非フェラーリ系のライバルチームは、FIAが返答しなければならない最終期限を設定した2番目の手紙を送り、次のような質問への回答を求めた。・FIAがフェラーリのエンジンの合法性について疑念を証明できないと感じたのはなぜか?・合意に達した和解がより広く伝えられるのではなく機密であったのはなぜか?・昨年のチャンピオンシップの最終順位の完全性に疑問を呈すべきか?・エンジンの合法性の問題に関する事実に到達できないFIAの失敗は、スポーツの技術的規制を管理する統治体の能力について何を物語っているのか?FIAから満足のいく回答が得られない場合、チーム側からの最初の声明、そして、レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコの発言は、法的措置が取られる可能性があることを示している。しかし、FIAは、和解はすべてのコンストラクターが従う司法および懲戒規則で許容される“法的手段”であることを主張しており、裁判所が訴えを提供できるかどうかは不確実となっている。