FIAが、オーストラリアGPで物議を醸した燃料流量制限を撤廃するつもりはないとし、規制を外せば1周のマシン間の“非常に危険”なスピードに繋がる可能性があると主張する。開幕戦ではダニエル・リカルドが2位でフィニッシュするも、レッドブルのマシンに積まれたFIA承認センサーの数値が毎時100kgの燃料流量を超えていたとしてレース後に失格処分を受けた。
レッドブルは、燃料流量センサーに欠陥があるとして裁定に不服申立てを行っており、さらに今週末のマレーシアGPでも同様の状況に至る可能性があると警告する。レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、規定されている燃料流量率を排除し、レース中の燃料流量管理をチームに任せることをひとつのソリューションとして提案した。「もっと強固なシステムを検討する必要がある。その中で最も大きいものは、審議に関係なく、燃料を測定し、モニタリングする上でもっと優れた方法が必要だということだ。あるいはそれを完全に排除し、100kgをあてがって配分するかだ」「FIAにとっても、おそらくチームにとっても、それが一番やりやすいのではないかと思う。燃料流量の規制は実際のところ予選のためだけにあるようなものだ。レースで燃料が限られていれば馬鹿みたいに回転数を上げられるわけがない。個人的には撤廃し、100kgの燃料を与えるから好きなように使えとする方が簡単なように思う。彼らにとってもレース後に測定するのはとても楽だ」「レース中の100kgは大きな挑戦であり、その100kgをどう使うかはチームの選択に委ねればいい。私にとってはこれが最も論理的な方法だ。そうでなければ、パーセンテージの細かいところを議論したり、レース中にレースコントロールと議論を続けたり、そういったリスクを冒すことになる」だが、ターボのブースト圧が制限されなければ、パワーを制限しないという結果に繋がってしまう。理論的に、1.6リッター V6ターボエンジンは、短時間で1,500bhp以上を出すことが可能。FIAのパワートレイン責任者であるファブリス・ロムは、それがトラック上で危険な状況を生み出す可能性があると指摘する。「エンジニアは、エンジニアであるがゆえ、レースで100kgを使えるのであれば最速を目指そうとする」「シンプルに説明しよう。レースを50周で争う場合、燃料はラップあたり2kgで始めることになる。この2kgで誰もが最高のラップタイムを刻もうとする。誰だって遅く走りたくはないし、FIAを満足させたいわけでもない。ただ最速になりたい。仮に燃料流量に制限がなければ、最速の方法はストレートの最初に激しくブーストさせ、残りは放置しておけばいい」「1.5リッター ターボエンジンを使っていた25年前でも1,500bhpを出せたので、彼らなら楽にそこ達してしまうだろう。また、1周に3kgを使って別の周回では1kgを使うやり方も可能になる。つまり、ある時はクルマが非常に速く加速するのにそれ以外はそうでなくなることだ」「我々は同一周回でスピード差がある状態は非常に危険だは考えている。ドライビングスタイルを考えれば、それはF1ではない。我々にとって、それはル・マン式でさえない。だからこそ、ル・マンにもその制限を設けている。そのようなドライビングになることを避けるためにね。非常に危険な状況になり得る」
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