フェラーリは、2025年のF1のデザイン方針について、ルイス・ハミルトンのドライビングスタイルに影響を受けているとイタリアのメディアは報じている。ルイス・ハミルトンは、メルセデスとの長年の関係に今年いっぱいで終止符を打ち、フェラーリへの大物移籍が決まった。スクーデリアとの複数年契約は、現役引退後も継続する。
この移籍により、ルイス・ハミルトンはシャルル・ルクレールとコンビを組み、元メルセデスの車両パフォーマンス責任者であるロイック・セラと再会することになる。セラは10月からフェラーリに勤務し、マクラーレンと同様の技術チーム再編の一環として、フェラーリでシャシー担当テクニカルディレクターに就任する。Formu1aUnoによると、ロイック・セッラとフェラーリの技術チームは、2025年のマシンの構成に大きな変更を加える可能性があり、来年はプルロッド式フロントサスペンションを採用するかもしれない。この動きは、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールのドライビングスタイルが似ていること、アクティブなリアエンドを持つマシンを好むことと一致していると言われている。フロントサスペンションの再構成というこの大規模な変更は、SF-24の現在のシャシーの再設計が必要となり、フェラーリの通常の開発戦略とは逆行する。フェラーリはマクラーレンの技術構造を模倣する構えだ。現行のグラウンドエフェクト規定サイクルでは、フェラーリはプルロッド式リアサスペンション構成を頑なに継続することを選択し、技術パートナーであるハースとウィリアムズ(メルセデスの2023年セットアップを使用)を除くすべてのチームがプッシュロッド式リアサスペンション構成を採用している。メルセデスとアストンマーティン(ドイツのブランドとの技術提携による)は、2024年に好まれるプッシュロッドレイアウトを採用した。プルロッド式リアサスペンションレイアウトの使用継続を決定したのは、最近フェラーリを去ったテクニカルディレクターのエンリコ・カルディレで、2025年にアストンマーティンに加わる予定である。それでも、ハミルトンの加入と7度のワールドチャンピオンがルクレールと似たマシンを好むという状況の中で、フェラーリが来季のフロントサスペンションレイアウトを変更するという決定を下したことは、理論的にはチームの技術的方向性を明確にするはずである。フェラーリを去るカルロス・サインツJr.は、ルクレールやハミルトンとは対照的なドライビングスタイルを持ち、アンダーステア傾向でリアが安定した車を好む。そのため、フェラーリの振り子は、マシンの開発状況に応じて、ルクレールとサインツの間を定期的に揺れ動いてきた。この問題は、2025年以降はより簡単に管理できるはずだ。ルクレールは、ハミルトンとのチームメイトが決まったことで、「F1史上最高のドライバーの1人から学ぶことができる。同じマシンでルイスと比較できることに興味をそそられており、非常にやる気が出ている」と語っている。