フェラーリの2002年F1マシン『F2002』は、全17戦中15勝、全レース表彰台とい離れ業を成し遂げた“最強の跳ね馬”といっても過言ではない一台だ。1996年にミハエル・シューマッハが加入し、翌1997年にベネトンからロス・ブラウン(テクニカルディレクター)とロリー・バーン(チーフデザイナー)が加入して技術部門を再編したフェラーリは、2000年にはシューマッハの移籍後初、そして、チームとしては1979年以来となるドライバーズチャンピオンシップを獲得する。
そして、ミハエル・シューマッハ、ロス・ブラウン、ロリー・バーンは、2002年にフェラーリi史において最も大きな成功を収めることになる『F2002』を設計する。フロントノーズは前年マシンF2001のアリクイのように急激に下がるものから緩やかに下がる形状に変更。また、2000年にマクラーレンが導入した廃熱パーツであるチムニーダクトをさらに発展させ、エギゾーストパイプと一体型にすることでサイドポンツーン上の空力改善に貢献した。前年よりも細く小さなチタン製ギアボックスを採用し、リヤタイヤ周りのエ空力に広い自由度が与えられた。2002年のF1世界選手権でフェラーリ F2002はまさに最強マシンとして君臨。F2002の投入は第3戦からだが、ミハエル・シューマッハは、17戦中11勝を挙げ、さらに全レースで表彰台という離れ業を達成し、7戦を残してF1ワールドチャンピオンを獲得するという圧倒的な強さをみせた。11勝は自身とナイジェル・マンセルが待つシーズン最多勝を更新。ファン・マヌエル・ファンジオに並ぶ5度目のF1タイトルとなった。また、チームメイトのルーベンス・バリチェロも4勝を挙げ、フェラーリとして全19戦中15勝を達成。ドライバーズ&コンストラクターズ・チャンピオンシップを圧倒的な形で制覇した。
全文を読む