フェラーリは、以前にF1マシンにメルセデス型の2軸ステアリングシステムを導入していたが、合法性について不確実だったため、見送っていたことを明らかにした。メルセデスは先週のF1バルセロナテストでDAS(デュアル・アクシス・ステアリング)と呼ぶシステムを導入。ステアリングを前後に動かすことで、コーナーとストレートでフロントタイヤのトー角を調整できる。
現在、ライバルチームは、DASを自分たちのマシンで追及する価値があるかどうかを検討している。特に開発においては長いリードタイムが必要となるうえ、2021年にはそのようなシステムが禁止になることが明らかになっている。フェラーリのF1チーム代表を務めるマッティア・ビノットは、フェラーリは以前に独自にDASと同様のアイデアを廃棄しており、今後それを追求するかどうかは懐疑的だと語った。「過去にDASシステムは検討されていた。だが、設計と開発をしていたわけではなった」とマッティア・ビノットは説明した。「その理由は合法性の問題だ。当時はFIA(国際自動車連盟)とともに明確にはできなかった」「だが、第二に少なくとも我々のマシンとマシンコンセプトにとって、それは価値がないと信じていたからでもある」「他の人たちが何をしているかを見ている。現時点では本当に疑問符だ。我々がそれを開発するかどうかはわからない」FIAの意見では、DASはF1レギュレーションに完全に準拠しているが、一部チームはその見解に疑問を呈しており、最終回答はオーストラリアGPでのみ利用可能であることを示唆している。マッティア・ビノットは、メルセデスのDASがF1レギュレーションに準拠していると感じているかどうかについては言葉少なめだった。「判断するのは難しいと思う」とマッティア・ビノットは語った。「正確なシステムに関しては、FIAが独自の判断を下すと確信している」