ピレリは、一部のF1チームが“グレーエリア”を利用して、スタート時のタイヤの空気圧を下げていると疑っているが、フェラーリのエンジニアを務めるジョック・クリアは、そのようなトリックは不可能であり、フェラーリの問題がそれに関連しているとは考えていない。フェラーリは、特にここ2レースで主に予選でタイヤを機能させられなくなる不可解なトラブルに見舞われており、メルセデスだけでなく、レッドブルの後塵を拝している。
今年のタイヤ規約では、これより高めの最低空気圧が指定されているが、ピレリは、一部のチームがフォーメーションラップ前の空気圧チェックから実際のスタートまでの間にタイヤの空気圧を下げる方法を見つけたのではないかという疑いを持っている。最近のレースでフェラーリの勢いが失われたように見えるのは、ライバルチームがそうした秘密のトリックを使って有利にタイヤをマネジメントできているためではないかという推測も一部にはあるようだ。しかし、2014年までメルセデスに在籍し、今年からフェラーリでの仕事を開始したF1エンジニアのジョック・クリアは「空気圧が低めのほうがグリップは高くなる。だが、予選で1周を行うときに自分たちが望む範囲の空気圧を保つのはそれほど難しいことではない」と Auto Motor und Sport にコメント。ジョック・クリアは、何らかのトリックを使うにせよ、レース中の空気圧を調整するのはかなり難しいことだと語る。「一部のチームがタイヤの空気圧を大きく下げることができるという話は信じていない。0.5PSIなら可能かもしれないが、2PSI下げるのは無理だ。我々としてはそんなことは不可能だと考えている」「ホイールの熱を下げる賢位にソリューッションについて多くの噂がある。だが、そういったものは全て非合法だ。FIAは全てのF1カーが合法だと認めている。つまり、そのような疑いを持つ理由はないということだ」いずれにせよ、最近はメルセデスに手が届かないばかりかレッドブルにも上に行かれてしまっているフェラーリに関しては“危機的状況”だと報じているメディアもある。しかし、ジョック・クリアはそういう見方もまた間違いだと語る。「メルセデスとの差は我々が想定していたよりも大きい。だが、昨シーズンの平均値や2015年の最終戦よりは小さくなっている。それはポジティブな点だ」「我々はメルセデスとの差を縮めつつある。我々は2本(メルセデスとフェラーリ)のパフォーマンス・カーブがそのうち交わるはずだと確信している」「唯一の問題は、いつそうなるのかということだ」
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