F1のスポーティングディレクターを務めるロス・ブラウンは、金曜日のフリー走行1回目に定期的に参加するF2ドライバーの数を増やす方法を検討していると語る。2006年に禁止されるまで各チームはフリープラクティスでサードカーを走らせることができ、若き日のセバスチャン・ベッテルやロバート・クビサなどはそこでグランプリ週末の経験を積んでいった。
サードカーは廃止されたが、今でもF1チームは金曜フリー走行1回目にレギュラードライバー以外を自由に走らせることができる。ロス・ブラウンは、土壇場でF1ドライバーの代役を務めるF2ドライバーを例に挙げ、フリープラクティなどで事前に走行することないシナリオは賢明ではないとの考えを示した。「経験を積んでいないドライバーをF1に入れるのはリスクだ」とロス・ブラウンはコメント。「出来るだけ彼らに準備をさせなけれならない。金曜の午前中のプラクティスで走るのがいいかもしれない」「彼らがそのような状況にさらされる前に、そういった取り組みが重要だ」「彼らが問題を抱え、F1に間違ったやり方で走ることになれば、彼らのキャリアを損ねる可能性がある」「(2009年ハンガリーGPで負傷した)フェリペの代役にF2ドライバーを起用することはあまりフェアだったとは思わない。彼らはクルマに乗るために非常に時間が限られていた」「もっと構造化されたやり方がある。それが我々が望んでいることだ」「金曜ブラクティスで、若手ドライバーに走行する機会を与えるためにより積極的な取り組みを検討し始めている。現在、そのようなことを議論している」F1には、MotoGP-Moto2-Moto3のような梯子が欠けているのではないかと質問されたロス・ブラウンは「そう思う」とコメントしつつも、リバティ・メディアによる買収は「そのような進歩を生み出す機会」だと述べた。「F3やF2でスターだった若手ドライバーが、(マックス)フェルスタッペンのようにF1に入ってくるのは素晴らしいことだ。それが我々が見たいことだ」「F1グランプリでそのようなレースがあれば、ファンは彼らと交流することができる。それは商業的にも競技的にも多くの利益をもたらすだろう。それが我々が取り組んでいることだ」ロス・ブラウンは、F2をF1のルール変更に先立ってフォーマットの調整を実験することに使用できると考えている。「我々全員が同じ傘の下にいるので、アイデアやコンセプトをどのように発展させられるかを確認することを望まない理由はないだろう」とロス・ブラウンはコメント。「F2はリバースグリッドに非常にコミットしているし、彼らにとってはうまく機能している。だが、そこには商業的にいくつかの相違点があるので、F1が必ずしもそれを追従するわけではない。もちろん、彼らにはF1にはない2レースがある」「我々はセーフティカー後のスタートとは異なるグリッドフォーマットでのリスタート手順を検討してきた。そのようなことはF2からF1に非常に容易に転換できることだ」