2026年F1レギュレーションを巡る議論が、再び大きく動き始めている。FIA、FOM、各チームは会合を開き、マイアミGPで導入された“応急処置”的なルール修正が本当に効果を発揮したのかを検証した。バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止によって生まれた5週間の空白期間を経て、マイアミでは改訂版パッケージが初投入された。しかし、F1パドックでは「根本問題は解決していない」との見方が依然として強い。
2026年F1の“エネルギー不足問題”は未解決特に懸念されているのが、モントリオールのような全開区間の長いサーキットだ。独Auto Motor und Sport誌は、「充電オプションが十分ではない」と指摘。さらに、ドライバーたちは長いフルスロットル区間で予定より早く電力を使い切る可能性があると報じている。現在の2026年F1パワーユニットは、内燃エンジンと電力出力の比率をほぼ50対50に設定している。しかし、この配分そのものが“レースを不自然にしている”との批判が強まりつつある。そのため、議論のひとつとして浮上しているのが、燃料流量や燃料搭載量を増やし、内燃エンジン側の比率を引き上げる案だ。アルピーヌ「2027年導入なら今すぐ決断が必要」ただし、こうした変更は単なるソフト修正では済まない。アルピーヌのスティーブ・ニールセンは、「もし2027年から実施するつもりなら、我々は実質的に“今”知る必要がある」と警告した。「我々は現在、次世代マシンのアーキテクチャを最終決定している段階だ」つまり、レギュレーション変更はすでに設計工程そのものに影響を与え始めている。マクラーレンは“回生能力強化”を提案マクラーレンのアンドレア・ステラは、問題はエネルギー使用量ではなく“回生量の不足”にあると分析している。「1周の中にはエネルギーを使う場所はたくさんあるが、回収できる場所は少ない」そのうえで、回生能力そのものを引き上げる案を提示した。「例えば、充電能力を350kWから400kW、あるいは450kWまで引き上げることも考えられる。より大型のバッテリーも助けになるだろう」ただし、ステラも2027年対応には現実的な限界があると認めている。「エンジンメーカーのリードタイムは非常に長い。我々には来季まで、それほど時間が残されていない」さらに、「可能な対策についての議論は夏休み前までに終えるべきだ」と訴え、現実的には2028年導入が妥当との見方を示した。フェラーリは“V8回帰論”にも冷静姿勢一方で、2030〜2031年に自然吸気V8へ回帰する可能性についての議論も続いている。しかし、フェラーリCEOのベネデット・ヴィーニャは、現時点で危機感は抱いていないと説明した。「我々は熱、ハイブリッド、電動という3エンジン戦略を継続すると信じている」「FIAとの議論は以前から続いている。一定期間ごとにルールを見直す必要があるのは確かだが、我々のロードカー戦略にも影響はない」フェラーリとしては、現行のハイブリッド路線を維持する姿勢を崩していない。F1首脳陣は“危機ではない”と強調F1 CEOステファノ・ドメニカリは、外部からの批判が過熱する中でも、現状を「危機」とは捉えていない。「我々には回復力がある」「最初は誰もが何かを言うものだ。しかし最終的には、誰かが結論を出さなければならない」さらに、「進化はF1の一部であり続けてきた」と強調したうえで、「現時点ではレース自体は本当にエキサイティングだ」と語った。ただ、FIA、FOM、チーム、PUメーカー、そしてドライバーたちの間で、2026年F1レギュレーションへの不満が完全に収束していないこともまた事実だ。マイアミでの修正は“第一歩”に過ぎず、2027年、さらには2028年に向けて、F1はさらに大きな方向転換を迫られる可能性がある。Source: GMM
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