ニコ・ヒュルケンベルグは、2017年F1マシンでの初レースとなったF1オーストラリアGPで、オーバーテイクは“ほぼ不可能”だったと述べた。ピレリの幅広タイヤによるグリップと空力パフォーマンスの増加により、2017年F1マシンは速く、ワイドなマシンへと変貌を遂げた。
ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)は、レース終盤でエステバン・オコン(フォース・インディア)よりも速かったが、どうやっても抜くことはできなかったと述べた。「彼がソフトタイヤに少し問題を抱えることを期待していたし、僕はウルトラソフトを履いていた。でも、すぐにそれは起こりそうもないとわかった」とニコ・ヒュルケンベルグはコメント。「このクルマでは乱気流が大きく、オーバーテイクはほぼ不可能だ。たぶん僕は1秒以上速かったけど、それでも十分ではなかった」ニコ・ヒュルケンベルグとエステバン・オコンは、ターン1の進入でのフェルナンド・アロンソとスリーワイドの見応えのあるバトルを披露した。だが、エステバン・オコンは、フェルナンド・アロンソが予想外のミスをしたことによってそれが可能になっただけだと語る。「僕のとニコはフェルナンドよりもずっと速かったけど、近づくことはできなかった。とても大変だった」とエステバン・オコンはコメント。「彼はターン12の立ち上がりで小さな間ミスをした。それでなんとか近づけて、仕留めることができた」ニコ・ヒュルケンベルグは、そのシーズンが彼のレースだと語る。「かなり速かった。このクルマはかなり大きなトーを与えてくれるので飛ぶような速さだった。僕はダブルのトー、DRS、フルパワーモードを使っていた。笑いたくなったよ」一方、1周目にダニール・クビアト、カルロス・サインツのアウトラップ時にはターン3でオーバーテイクを成功させているセルジオ・ペレスは、先行マシンに近づくことはできるが、通常のコンディションでオーバーテイクするには大きなペースアドバンテージが必要だろうと語る。「オーバーテイクは難しくなっている。ブレーキングの距離は短くなっているし、グリップリミテッドのゾーンも短い。デグラデーションも少ないからね。以前なら1.5秒で十分だったけど、今は2秒は必要だ」とセルジオ・ペレスは述べた。上位争いをしているメルセデスのルイス・ハミルトンも、オーバーテイクの問題は“これまでよりも悪くなってるかもしれない”と語り、今後もそれは同じままだと懸念を抱いている。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、キミ・ライコネンを捕えたが、フェラーリの“2秒以内”に入るとすぐに苦しみ始めた。キミ・ライコネンは、F1でオーバーテイクするのは“決して簡単なことではない”と語る。「まだ1レースだけだし、このサーキットは決してノーマルなサーキットではない。もっと簡単なサーキットもあれば、厳しいサーキットもあるだろう。今後のレースでどうなるか見てみなければならない」レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーもその考えに同意する。「ここではオーバーテイクは決して多くはなかった。判断を下す前にオーバーテイクがもっと簡単な中国やバーレーンを待とうではないか」