元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、レッドブル・レーシングが2019年からホンダのF1パワーユニットに切り替えるという決断にマイナス要因はないと語る。レッドブル・レーシングは、今シーズン限りで2010年から2013年にダブルタイトルを4連覇したルノーとの12年にも及ぶパートナーシップを終了し、来季からはホンダのF1エンジンを搭載する。
レッドブル・レーシングは、2014年にF1がV6ハイブリッド時代に突入して以降、ルノーのF1パワーユニットに大幅な改善が見られなかったことに長年フラストレーションを抱えており、ルノーがワークス復帰したことでカスタマーステータスに格下げされたことにも不満を抱いていた。ホンダとの新たなパートナーシップは、レッドブル・レーシングにとって事実上初めてのワークス待遇となる。2005年から2008年までレッドブルのF1ドライバーを務めたデビッド・クルサードは「ルノーとのリレーションシップにおける彼らの立ち位置を考えれば、2020年以降に何が起こるかは不確実だ」と Crash.net にコメント。「ルノーはF1で素晴らしい歴史がある。彼らはルノー・ルノーでワールドチャンピオンになるためにチームを築き上げようとしている。レッドブルのサプライヤーとして勝って本当に幸せになれるだろうか?」「将来がどのような展開になるかは誰にもわからないが、全員が同じ材料を使っていれば、ずっと同じケーキを手に入れることになるだろう。違った結果を望むのであれば、その過程の何かを変えなければならない」デビッド・クルサードは、今シーズンからホンダとのパートナーシップを開始した姉妹チームのトロロッソから自由に使える貴重なデータを得られることで、レッドブル・レーシングは決断において計算上のリスクを分散したと考えている。ホンダは、マクラーレンとの3年間のパートナーシップを失敗に終えた後、トロロッソともにパフォーマンスと信頼性の両面で堅実な進歩を果たしている。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは、ここまでのシーズンでバーレーンGPで4位、ハンガリーGPで6位と際立った結果を残している。「彼らはトロロッソから情報を得られているのでリスクはあまりないと思う。競合他社の健全な分析をする際には、そのデータがなければ未知数な部分がある」とデビッド・クルサードは語る。「トロロッソがいることで彼らはそのトップデータを把握しているし、彼らはどれくらいのパワーがクルマのホイールに流れていることを知ることができるし、彼らはルノーからどのようなパワーを得ているかも知ることができる」「ルノーがどのように発展していくかは誰にもわからないし、ホンダがどのように発展していくかもわからない。だが、開発プランを見れば、費やされる予算はわかるものだし、過去に経験してきた継続的なプロフィールに沿って考えれば、特定の時点までは推測できるものだ」デビッド・クルサードは、ホンダとレッドブル・レーシングとのパートナーシップが成功すること期待しており、レッドブルのオーナーであるディートリッヒ・マテシッツは、F1に満足できなければ、レッドブル社としてのF1への関与をやめることになるだろうと警告する。「彼らは決断を下したわけだし、彼らは姉妹チームから得られる全てのデータを得て、最終的にディートリッヒ(マテシッツ)の支援を受けて決断している」「彼らはF1で大きな役割を果たしているので、彼らが成功を収めることを願っている。レッドブルの投資から多くの人々が利益を得ているし、マテシッツ氏の能力を過小評価すべきではないと思負う。彼はそれ以上楽しむことができなければ、すべてをオフに切り替えるだけだ」レッドブルは、F1でのマーケティングに満足できなくなった場合、2020年にポルシェにレッドブル・レーシングを売却し、トロロッソはホンダに売却すると過去に報じられている。
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