キャデラックF1チーム代表のグレアム・ロードンは、GMとフォードという2大アメリカ自動車メーカーのライバル関係が、フォーミュラ1に新たな物語性をもたらすと語った。キャデラックとフォードが同時期にF1へ関与することで、長年続いてきた米国発の競争が世界最高峰の舞台に持ち込まれることになる。キャデラックは2026年シーズンから、11番目のチームとしてF1に参戦する。
初年度はフェラーリのパワーユニットを搭載するカスタマーチームとして戦いながら、並行してアメリカ国内では自社製パワーユニットの開発を進めている。一方、フォードはレッドブル・レーシングのエンジンパートナーとしてF1に復帰し、ミルトンキーンズで開発されている自社製パワーユニットを支援している。GMとフォードの同時参戦は、数十年にわたるアメリカ的ライバル関係をF1というグローバルな舞台へと持ち込む。NASCARでは、フォードとGM傘下のシボレーが長年激しく争ってきた。最近も舌戦が繰り広げられ、キャデラックF1のCEOであるダン・トウリスは、フォードのレッドブルへの関与を「影響の少ないマーケティング契約」と表現したが、これに対しフォードのビル・フォード会長は「まったくもってばかげている」と切り捨てている。健全なライバル関係が生む“もう一つの物語”ロンドンで開催されたオートスポーツ・ビジネス・エクスチェンジの場で、ロードンはMotorsport.comに対し、このライバル関係がF1をより魅力的なものにすると語った。「GMとフォードの間には、もう何年も続いている健全なライバル関係がある。ハリウッド映画にまでなったほどだ。つまりこれは本物で、実在する関係だ」とロードンは述べた。さらに彼は次のように続けている。「このライバル関係は今後も続いていくはずだ。我々はこれまでのF1でも、ファンが適度なライバル関係を好む場面を何度も見てきた。行き過ぎない限り、それは歓迎される。単純に、F1にもう一段階の興味深さを加えてくれる存在になる」スーパーボウルで披露される“アメリカ流F1”キャデラックは、バルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスをドライバーに据え、F1参戦初年度を迎える。インディアナ州フィッシャーズには新たな本社が建設され、ミシガン州やノースカロライナ州にあるGMの既存施設も活用する計画だ。シャーロットにはドライバー・イン・ザ・ループ・シミュレーターも設置されている。チームはそのアメリカ的アイデンティティを前面に押し出している。その象徴が、来週行われるスーパーボウルのハーフタイムCMで、2026年の最終リバリーを発表するという試みだ。「スーパーボウルの件は、正直言って本当にクールだと思っている」とロードンは語った。「我々は最初から、新しいファンをこの旅に連れていきたいと言ってきた。スーパーボウルほどアメリカ的なものはそう多くない。スポーツ、音楽、文化が一体となった巨大なイベントで、これは新しいファンを引き込むための一つの方法でもある」さらにロードンは、次のように締めくくっている。「これまでに、他のF1チームが同じことをしたとは思わない。つまり我々は何か新しいことを持ち込んでいる。もしそれが、この愛してやまないスポーツに新たなファンを呼び込むなら、それは間違いなく良いことだ。だが正直に言えば、何よりもまず、ただただ“かっこいい”と思っている」