ピレリは、タイトルスポンサーを務める2026年F1イギリスGPを前に、シルバーストン・サーキットの特性やタイヤ戦略の見通しを公開した。今年のイギリスGPでは最も硬いC1、C2、C3コンパウンドが投入され、1ストップ戦略が有力視されている。また、レース後には2027年仕様ドライタイヤの開発テストも実施される予定だ。
シルバーストンはF1の歴史を象徴するサーキット2026年のF1イギリスGPは、今年ピレリがタイトルスポンサーを務める2大会のひとつとなる。もう一方はイタリアGPであり、F1世界選手権を象徴する2つの伝統あるグランプリにピレリの名が冠されることになる。イギリスGPとイタリアGPは、1950年の世界選手権創設以来、一度も中断することなく同じ名称で開催され続けている唯一のイベントでもある。1950年にシルバーストンで行われた記念すべき最初のF1世界選手権レースでは、ジュゼッペ・ファリーナがアルファロメオを駆り、ピレリの「ステラ・ビアンカ」タイヤで優勝を飾った。今年のイギリスGPは通算77回目、シルバーストン開催としては60回目となり、ピレリにとってはF1参戦518戦目となる。高速コーナーがタイヤへ極めて大きな負荷シルバーストンは全長5.891kmで、2010年にアビーからブルックランズまでの新セクションが追加されたのが最後の大規模改修となっている。現在のレイアウトは18コーナー(右10、左8)で構成され、マゴッツ、ベケッツ、チャペルへと続く高速S字区間では、連続する方向転換によって非常に大きな横Gが発生する。ルイス・ハミルトンが「戦闘機のコックピットにいるようだ」と表現したように、高速コーナーと長いストレートが組み合わさることで、ドライバーにもマシンにも大きな負荷がかかるサーキットとなっている。タイヤへの負担も非常に大きく、一部区間では鈴鹿やスパ・フランコルシャンと同様に5Gを超える加速度が発生する。特に右コーナーが多いため、左フロントタイヤへの負荷が最も大きい。一方で路面そのものは摩耗性が低く、年間を通じて四輪・二輪レースが数多く開催されているため、自然なラバーの蓄積によって高いグリップが確保されている。C1・C2・C3を投入 1ストップが有力ピレリは今週末に最も硬いC1、C2、C3の3種類を選択した。サーキットの高いタイヤ負荷を考慮すると、決勝ではグリップ性能に優れるC2とC3を組み合わせた1ストップ戦略が最も有力と予想している。過去のデータでは、C3のみ軽度のグレイニングが確認されている一方で、C1とC2は機械的な安定性に優れた特性を示してきた。今年はスプリントフォーマットのため、FP1ではハードタイヤを積極的に使用するチームが多くなるとみられる。英国特有の天候も勝敗を左右イギリスGPでは天候も重要な要素となる。過去2年連続で決勝中に雨が降り、各車はインターミディエイトタイヤを使用した。イギリスの夏は天候が変わりやすく、今年も雨がレース展開を左右する可能性がある。レース終了後の火曜日と水曜日には、メルセデスとウィリアムズの協力のもと、2027年用ドライタイヤの開発テストがシルバーストンで実施される予定だ。2025年は雨と晴れが交錯する難しいレース昨年のイギリスGPは変わりやすい天候となり、レース前半はインターミディエイトタイヤが主役となった。フォーメーションラップでは全車がインターミディエイトを装着していたが、決勝スタート直前に5台がスリックタイヤへ交換。しかし再び雨が降り出したことで、全車がインターミディエイトへ戻る展開となった。終盤には路面が乾き、多くのドライバーがミディアムまたはソフトへ交換してチェッカーフラッグを受けた。シルバーストン最多勝はハミルトンイギリスGPはこれまで76年にわたる歴史を持ち、シルバーストンで59回、エイントリーで5回、ブランズハッチで12回開催されてきた。シルバーストンで最多9勝を挙げているのはルイス・ハミルトンで、ジム・クラークとアラン・プロストが5勝で続く。コンストラクター別ではフェラーリが18勝で最多を誇り、マクラーレンを3勝上回っている。英国らしさを表現した特別トロフィーと表彰式キャップ今年の表彰台トロフィーは、アーティストのポール・オズがピレリの依頼で制作した。F1マシンのフロントウイングをモチーフに、シルバーストンが旧飛行場から現代的サーキットへ発展した歴史を表現。航空機を象徴するアルミニウムと、現代F1を象徴するカーボンファイバーを組み合わせ、ユニオンジャックをデザインに取り入れている。マーシャル賞のトロフィーは、イタリアのバルトッチーニ・プレミアツィオーニがステファノ・ズエックとの協力で制作。シルバーストンサーキットのレイアウトを再現し、周囲に配置された星が安全を支えるマーシャルたちを象徴している。また、表彰台ではピレリのタイトルスポンサー大会限定として、デニス・デコヴィッチがデザインした特別仕様のイエローキャップが使用される。英国で親しまれている千鳥格子柄を取り入れたデザインとなっている。
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