026年のF1世界選手権で、セパン・インターナショナル・サーキットが9年ぶりにカレンダーへ復帰することが決定した。しかし、復活するレースは「マレーシアGP」ではなく、「バーレーンGP」として開催されるという異例の形になる。一見すると奇妙な名称だが、その背景には中東情勢による開催中止と、F1、バーレーン、マレーシアの三者が合意した特別な開催スキームが存在する。
なぜマレーシア開催なのに「バーレーンGP」なのか2026年のF1では、本来4月に開催予定だったバーレーンGPとサウジアラビアGPが、アメリカ・イスラエルとイランを巡る情勢悪化の影響で中止となった。F1は当初、10月4日の開催枠でバーレーンGPを復活させることを検討したものの、中東地域の緊張が続いたことで断念。その代替開催地として名乗りを上げたのがマレーシアだった。ただし、このレースは通常のマレーシアGPではない。開催費用の多くをバーレーン側が負担する特別契約が結ばれたため、イベント名はバーレーンGPを維持。さらにバーレーンのフラッグキャリアであるガルフ・エアがタイトルスポンサーとなり、正式名称は「ガルフ・エア・バーレーンGP・イン・マレーシア(Gulf Air Bahrain Grand Prix in Malaysia)」となる。つまり、開催地はマレーシアだが、イベントとしては「バーレーンGP」を継承するという、F1でも極めて珍しいケースとなる。セパンは2017年以来9年ぶりのF1復帰セパン・インターナショナル・サーキットは1999年から2017年までF1を開催してきたが、開催コストの上昇や観客動員の減少を理由にカレンダーから姿を消していた。しかし、今回の特別開催によって9年ぶりにF1が帰ってくることになった。F1会長兼CEOのステファノ・ドメニカリは今回の決定について次のようにコメントした。「2026年にマレーシアでバーレーンGPを開催できることを大変うれしく思う。F1は今回も適応力を発揮し、解決策を見つけ、世界中のファンに素晴らしいレースを届けられることを示した」「ファンにとっても素晴らしいニュースだ。完全なF1カレンダーを維持するとともに、歴史ある素晴らしいサーキットへ戻ることができる。マレーシアは素晴らしい国であり、セパンはF1の歴史において特別な場所だ。サーキットの観客にも、世界中のファンにも忘れられないレースになるだろう」2026年終盤は3週連続開催が3回続く過密日程にマレーシアでの開催日は10月4日に設定されており、アゼルバイジャンGPとシンガポールGPの間に組み込まれる。これにより、2026年シーズン終盤には3回の3週連続開催(トリプルヘッダー)が、それぞれ1週間のインターバルを挟みながら実施される過密スケジュールとなる。一方で、カタールGPとアブダビGPについては依然として開催の不透明さが残っている。仮に両大会が中止となった場合には、イモラがシーズン最終戦の代替候補として検討されているとされ、F1は年間22戦の開催数を維持したい考えだ。今回の「バーレーンGP・イン・マレーシア」は、地政学的リスクに対応しながらシーズン全体の開催数を守るために生まれた前例のない取り組みであり、2026年シーズンを象徴する特別なイベントとなりそうだ。