岩佐歩夢は、イタリアのモンツァで開催されたFIA フォーミュラ2選手権第13戦のフィーチャーレースで2位表彰台を獲得した。FIA F2選手権第13戦は9月3日(日)にフィーチャーレースが行われました。レッドブルF1の育成ドライバーだり、ホンダ・フォーミュラドリーム・プロジェクト(HFDP)のドライバーとして参戦する岩佐歩夢は予選で15番手。8列目15番手からのスタートとなった。
現地時間9時55分、気温23℃、路面温度26℃のドライコンディションでフォーメーションラップがスタートしました。前日のスプリントレースをマシントラブルで終えた岩佐は、マシンの修復を完了して無事スタートを迎えました。好スタートを切った岩佐歩夢は14番手に上がると、上位車がスピンストップして13番手で1周目を終えた。コース上にマシンがストップし、1周目が終了する時点でセーフティカー(SC)が導入されます。4周目にレースが再開され、岩佐は13番手を走行。7周目に第1コーナーでオーバーランしたマシンがストップし、再びSC導入となると、オプション(スーパーソフト)でスタートしたマシンが一斉にピットインし、タイヤ交換を行った。岩佐はプライム(ミディアム)でスタートしたためステイアウトし、3番手となる。同じ戦略を採った3台が上位を占めるが、SCによりタイムロスを大きく減らし、タイヤ交換を行ったドライバーが有利な状況となった。12周目にレースが再開され、リスタートの第1コーナーで果敢に攻めた岩佐は優位なポジションを取り、第2シケイン入り口でトップに立つ。リスタートのストレートで後続にアクシデントが発生し、12周目が終わる前に3度目のSC導入となる。ストレートでのアクシデントにより、全車ピットレーンを通過となった際、岩佐は不利な状況を取り戻すべくオプションタイヤへの交換を行う。この作業で少しタイムロスがあり、10番手にポジションを落とすが、戦略的なダメージをばん回することに成功し、オプションタイヤをどこまで維持することができるかが課題となった。16周目からレースは再開。18周目に先行車が第1コーナーでコースアウトして、岩佐歩夢は9番手に浮上。20周目には先行車にマシントラブルが発生し、8番手となる。21周目の第1コーナーで果敢に攻めた岩佐は、オーバーテイクを決めて7番手となった。23周目、上位車2台がアクシデントで脱落し、岩佐は5番手にポジションを上げる。このアクシデントでSCが導入され、先行する2台がタイヤ交換のためピットインを行い、岩佐は3番手となった。27周目にレースが再開すると、岩佐は第1コーナーでアウト側から2番手にアタックし、オーバーテイクを決めて2番手となった。オプションタイヤをうまくマネージメントした岩佐は28周目に自己ベストのラップタイムをマーク。迫る後続を抑えポジションを死守する。29周目、コースアウトしてストップするマシンが出て、5回目のSC導入となった。30周のレースはSC先導の状態でチェッカーフラッグを迎え、岩佐はそのまま2番手でフィニッシュ。戦略面での不利な状況を跳ね返した岩佐は、15番手スタートから2位表彰台獲得という大躍進を果たした。フィーチャーレース2位で18ポイントを獲得した岩佐歩夢は、トータル152ポイントで総合ランキング3位を守った。2位との差は14ポイントに縮まり、4位との差は14ポイントに広がっている。最終戦は11月24日(金)~26日(日)、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われる。15番手スタートの岩佐歩夢は、波乱のレースで2位表彰台獲得「15番手からのスタートなので、リスクを背負ってでも順位を上げる可能性のある『プライム→オプション』の戦略を選びました」と岩佐歩夢はコメント。「スタートはうまくいったのですが、やはりオプション勢のグリップがよく、大きくポジションを上げることはできませんでした。2回目のSCで、ステイアウトせざるを得ない状況になったときには、『今日は勝負権を失った』とも思いましたが、エンジニアと『あきらめないでいこう』と話し、ドライビングに集中しました」「3回目のSCでタイヤをオプションに交換したのですが、残り周回数がオプションでは多すぎるのは分かっていました。それでも、ばん回するためにタイヤを交換をすることにしました。作業に若干手間取ったのと、ファストレーンにマシンが連なっていたので、なかなか入るタイミングを見つけられず、ポジションを失ってしまいました。タイヤがかなり厳しくなっていたので、4回目のSCのときに交換することも考えましたが、エンジニアから『ステイアウトでいこう』と言われ、それに同意しました。終盤、やはりタイヤは厳しくなって、もし5回目のSCが出なければポジションを落としていたかもしれません」「運に恵まれたところもありましたが、自分もチームもその時々で最大限のパフォーマンスを発揮できた結果だと思っているので、2位という結果ともに、それができたことがうれしいです」「最終戦に向けては、予選での速さを取り戻すことが大きな課題です。これから分析して方向性を見つけなければなりません。チームとミーティングを重ねるつもりです。アブダビでは、昨年とてもいいレースができましたが、今年も同様とはいかないと思っているので、しっかり準備して臨みたいと思います」