黒田吉隆が、AUTO GP 第4戦シルバーストンのレース週末を振り返った。第3戦で惜しくも連続入賞が途切れた黒田吉隆は今回、再びの選手権得点獲得を目指して未知のサーキットへ乗り込んだ。5月31日(金)の練習走行1回目は15番手に甘んじたものの、同日の練習走行2回目では自己ベストタイムを1秒以上縮めて12番手につけた。
同日の午後に実施された30分間の予選では、開始10分でライバルがメカニカルトラブルでコース脇に車両を停止したため1回目の赤旗中断。さらには、開始25分にも別のライバルがメカニカルトラブルでコース脇に車両を停止して2回目の赤旗中断。そして黒田吉隆にとっては、この2回目の赤旗中断が最悪のタイミングで訪れた。黒田吉隆は、赤旗中断直前の周回でセクター1とセクター2を自己ベストタイムで揃えおり、そのままコントロールラインを走り抜ければ順位を大きく上げる可能性が極めて高かった。結局、ライバルに降りかかったトラブルに巻き込まれた形の黒田吉隆は、決勝レース1で15番グリッドを得るに留まった。高気圧の影響で前日に引き続き好天に恵まれたシルバーストンで、AUTO GP第4大会の決勝レース1(14周)は6月1日(土)の午後2時20分にスタートした。黒田のスタートダッシュはいまひとつ精彩を欠いたものの、ライバルとの激しい鍔迫り合いを力強く制してスターティンググリッドどおりの15番手で1周目を終えた。とはいえ、前日の予選から大きくセットアップを変更したクルマの操縦性に手こずり、その後はペースを上げられず13番手でチェッカードフラッグを受けるに留った。なお、レース終了後に上位フィニッシュしたドライバーが競技規則違反を問われたため、黒田吉隆は12位に繰り上がりとなりました。決勝レース1の結果に基づき12番グリッドから臨んだ6月2日(日)午後1時20分に始まった決勝レース2、黒田吉隆は鋭いスタートダッシュを見せて第1コーナーへ進入。そして前方を走るライバルのアクシデントに巻き込まれることなくすり抜けた黒田吉隆は、1周目を入賞圏内の10番手で終えた。ライバルのピットストップがあったにせよ、決勝レース1よりも速いペースで走る黒田吉隆は5番手まで浮上したのち、8周目終了時点でタイヤ交換義務を消化。レース終盤には自己ベストタイムを記録して先行車両を猛追するが、惜しくも12番手でチェッカードフラッグ。ここでも上位フィニッシュしたドライバーが競技規則違反を問われたため、黒田吉隆は11位へ繰り上がったが、惜しくも入賞にはあとひとつ足りなかった。黒田吉隆「初めてのサーキットで走る前は多少は不安もありましたが、大きなミスもありませんでしたし、練習走行では走れば走るだけタイムを縮められました。予選の2回目の赤旗中断は悔しすぎます。セクター1とセクター2だけでコンマ5秒以上も自己ベストを上回っていましたし、週末でいちばん乗れている周回だったので残念でした。決勝レース1はスタートに失敗しましたが、自分自身でも追い抜き返したので、1周目終了時点の順位はグリッドどおりでした。渋滞を嫌って早めのピットストップで順位を上げる作戦でしたが、結果的にはうまくなかったようです。クルマは前日とは打って変わってオーバーステアで、高速コーナーの多いシルバーストンでは常に神経を尖らせて、スピンしないように走らなければなりませんでした。初めてのコースというハンデもありましたし、やはりリズムに乗りにくいサーキットです。とはいえ、これまで頭を悩まされたピットストップでのトラブルもなく、きちんと仕事をこなしてくれましたチームには感謝しています。決勝レース2は汚れた路面のグリッドでしたが、スタートは悪くなかったと思います。1周目終了時点では入賞圏内の10番手に上がれました。とはいえ、クルマのセットアップに慣れるのに時間がかかりすぎました。たしかに、決勝レース1で悩まされたオーバーステアは解消されてすごく乗りやすくはなったのですが、そのクルマに慣れていないこともあってレース前半のペースが上がりませんでした。しかし、ピットストップ直前にポンとラップタイムを上げられて、ピットストップ後にはソフトスペックのタイヤで走った予選よりも約コンマ6秒速いラップタイムをミディアムスペックのタイヤで記録できました。初めてのコースにしては悪くなかったと思いますし、もう少し走れる時間があればラップタイムの短縮はできたと思います」
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