真夏の厳しい暑さに見舞われたF1オーストリアGPにおいて、ピレリが供給する3種類のドライタイヤ(C3~C5)は、それぞれの特性を発揮しながら全戦略に貢献した。70周を超える高温コンディションの中で、デグラデーションは金曜日のプラクティス時より高まったものの、レース展開においては予測通りの挙動を見せたとピレリは総括している。
マクラーレン、25年ぶりのF1オーストリアGPで1-2フィニッシュ達成 ノリスが今季3勝目マクラーレンが25年ぶりにF1オーストリアGPで1-2フィニッシュを飾った。2000年にミカ・ハッキネンとデビッド・クルサードが達成して以来の快挙であり、今回はランド・ノリスが優勝、僚友のオスカー・ピアストリが僅差の2位で続いた。3位にはフェラーリのシャルル・ルクレールが入り、表彰台を締めくくった。この勝利で、マクラーレンは通算197勝目、今季8勝目、そしてレッドブル・リンクでは通算7勝目となった。特にノリスにとってこのスピールベルクは好相性のサーキットであり、これまでに1勝、1ポール、3回の表彰台、9戦で108ポイントを獲得している。タイヤ戦略とレースの展開スタート時にはC4(ミディアム)とC5(ソフト)の両コンパウンドが使用され、ピエール・ガスリー、フランコ・コラピント、オリバー・ベアマン、アイザック・ハジャー、ニコ・ヒュルケンベルグの5人がC5を選択した。残る15台はC4でスタートしている。レースが進むにつれて、C3(ハード)も投入された。エステバン・オコンは2セットのC3を使用し、ミディアムスタートからの戦略を組み立てた。一方、ハースのオリバー・ベアマンはC3を2セット持ちながらも、最終スティントは再びミディアムを選んでフィニッシュした。ハジャー(レーシングブルズ)、ベアマン(ハース)、ランス・ストロール(アストンマーティン)の3人は全コンパウンド(C3/C4/C5)を使用。一方で、キック・ザウバーのヒュルケンベルグはC3を使わずにレースを終えた唯一のドライバーだった。なお、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)がフォーメーションラップ中にグリッド上でストップしたため、レースは1周短縮された。最長スティントは、ハジャーがC3で記録した41周。C4ではフェルナンド・アロンソが33周を走りきり、いずれも1ストップ戦略でポイントを獲得した。ピレリ モータースポーツディレクター マリオ・イゾラのコメント「真夏の高温下での初レース週末となり、我々のタイヤは予選でも決勝でも期待通りのパフォーマンスを発揮した。レース中の路面温度は52〜55℃に達し、金曜フリー走行時と比べて15〜20℃高かったため、3種すべてのコンパウンドでデグラデーションは高くなったが、それでも許容範囲内だった。すべてのコンパウンドがレースにおいて重要な役割を果たした。序盤には5人のドライバーがC5を選び、ストロールは残り15周でC5を装着するという異なる戦略を採った。予想通り2ストップ戦略が最速だったが、1ストップ勢も競争力を示し、トップ10フィニッシュを果たしている。パフォーマンス面ではC3とC4が非常に近く、C5は序盤には有効だったが、7~8周目以降に明確な性能劣化が見られた。次戦の舞台はタイヤに厳しいシルバーストンだ。今回はこれまでより1段階ソフトな組み合わせ(C2/C3/C4)を持ち込み、これが戦略にどう影響するかを楽しみにしている。」
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