F1オーストリアGPのフリー走行3回目(FP3)は、ランド・ノリスがトップタイムを記録し、オスカー・ピアストリが2番手に続くマクラーレンの1-2で締めくくられた。多くのドライバーがトラックリミットに苦しんだセッションは、予選の波乱を予感させる内容となった。角田裕毅は9番手につけた。前日のFP1とFP2でアップグレードの効果を証明したマクラーレン勢は、この最終プラクティスでも再び速さを見せた。
レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは新たなレースエンジニアとともにハードタイヤで先陣を切り、1分6秒131を記録したが、前日のノリスのFP2タイム(1分4秒580)には及ばなかった。フェルスタッペンは最終コーナーでコースオフし、「スロットルを戻すときにマシンがナーバス」「少しスナッピーだ」と無線で報告。その後もなかなかタイムを詰められずにいた。セッション序盤には、ターン1で多くのドライバーがコースを逸脱。ノリス、フランコ・コラピント、フェラーリ勢も走行ラインを外れ、アタックを断念する場面が見られた。ピアストリはターン9でグラベルに飛び出してヒヤリとする瞬間も。幸い大きなダメージは避けられたが、フロアの確認を要請する場面もあった。レーシングブルズのアイザック・ハジャーもターン10でスピンを喫したが、すぐにコース上を向いて走行を続けた。「ごめん」と無線で謝るなど、若手らしい一幕もあった。セッション後半、ノリスは最速セクターを刻みながらも縁石でワイドになりラップを中断。それでも1分4秒324で首位を確保し、ピアストリがコンマ1秒強差で続いた。フェルスタッペンは終盤にハジャーと同様のスピンを演じつつも、3番手に食い込んだ。角田裕毅もターン1でスピンを喫する場面があったが、予選シミュレーションではしっかりとタイムをまとめ、1分5秒139で9番手。荒れたセッションの中で着実に結果を残し、Q3進出の現実味を高めた。フェラーリのシャルル・ルクレールは4番手、ルイス・ハミルトンが5番手と続き、メルセデス勢はジョージ・ラッセルが僅差で先行した。ランス・ストロール、角田裕毅、ガブリエル・ボルトレトがトップ10入りを果たした。フェルナンド・アロンソは12番手。リアム・ローソンはボルトレトと同一タイムながら11番手に。ニコ・ヒュルケンベルグは13番手、アレックス・アルボンとカルロス・サインツがそれに続いた。ハースのオリバー・ベアマンは16番手。ピエール・ガスリー、エステバン・オコン、ハジャー、コラピントらは下位に沈み、午後4時(現地時間)からの予選に向けて巻き返しを図る必要がある。2025年F1 オーストリアGP フリー走行3回目 順位・ラップタイム1.ランド・ノリス(マクラーレン) - 1分04秒3242.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) - 1分04秒4423.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分04秒5344.シャルル・ルクレール(フェラーリ) - 1分04秒5745.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) - 1分04秒7906.ジョージ・ラッセル(メルセデス) - 1分05秒0187.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) - 1分04秒0538.ランス・ストロール(アストンマーティン) - 1分05秒0629.角田裕毅(レッドブル) - 1分05秒13910.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) - 1分05秒18211.リアム・ローソン(レーシングブルズ) - 1分05秒18212.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) - 1分05秒28313.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) - 1分05秒31414.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) - 1分05秒32615.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) - 1分05秒35816.オリバー・ベアマン(ハース) - 1分05秒36617.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) - 1分05秒36618.エステバン・オコン(ハース) - 1分05秒51919.フランコ・コラピント(アルピーヌ) - 1分05秒54620.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) - 1分06秒023