F1オーストリアGPを前にした木曜恒例の記者会見。第2部には、マクラーレンのオスカー・ピアストリ、ハースのエステバン・オコン、キック・ザウバーのルーキー、ガブリエル・ボルトレトが登壇し、カナダGPでの接触やアップグレード、新レギュレーション、そしてチーム内の競争関係などについて率直に語り合った。激化するタイトル争いの中でも冷静さを保つピアストリは、今季のマクラーレンの戦い方に自信を見せた。
Q:オスカー、あなたから始めましょう。まずは2週間前の話に戻ります。カナダGPの終盤はあなたとランドにとって波乱の展開でした。レース後のデブリーフィングはどうでしたか?オスカー・ピアストリ:問題なかったよ。デブリーフィングの半分はスチュワードルームに行く途中だったけどね(笑)。でも、全部うまくいった。チームに戻る前にランドと正直に話し合って、彼は謝罪してくれた。だから大丈夫。またレースに集中できるのを楽しみにしてるよ。Q:その件に関して最後にもうひとつ。以前から話していた“パパイヤ・ルール”に今後何か変更はありますか?ピアストリ:ないよ。これまで通り。カナダで起きたことは理想的じゃなかったけど、僕たちは依然としてレースを自由に戦えるし、両者とも選手権を争っている。だからこれまで通りレースして、今後は接触しないようにすればいいだけ。Q:カナダでは今年初めてマクラーレンのマシンがフロントロウを逃しました。その難しさはどこにあったのでしょう?今週末のオーストリアにも影響しそうですか?ピアストリ:そうならないことを願ってるよ。僕たちとしてもあれほど苦戦するとは予想外だった。でも一度限りの出来事だったと思いたい。予選までにはある程度改善していたし、レースペースは悪くなかった。ただ、予選順位が少し後方だっただけ。カナダで何がうまくいかなかったのかはある程度理解できていると思う。今週末はもっと良いレースにしたい。トップフォームを取り戻せる自信はあるよ。Q:今週末は新しいパーツも導入されると聞いています。どのような期待を?ピアストリ:そう、一部のパーツがフロントに投入される予定だよ。もちろん、速くなることを期待している。だいたいアップグレードの目的ってそういうものだからね。Q:今週末はかなり暑くなる予報です。これはマクラーレンにとって有利になりますか?ピアストリ:可能性はあるけど、正直あまり大きな差はないと思う。今年は気温が低いレースでも僕たちは強かったし、高温でも他のチームが速いこともあった。だから結局のところ、サーキットがどれだけ各マシンに合っているか次第。それが僕たちに合ってくれるといいね。Q:エステバン、次はあなたです。カナダでは素晴らしいレースでしたね。ハースF1の200戦目に9位入賞という結果でしたが、驚きはありましたか?エステバン・オコン:驚きではなかったよ。予選より決勝の方が速くなるだろうというのは、僕たちも分かっていたからね。だいたいそういう傾向がある。すごく良い戦略が取れたし、その点ではとても満足している。カルロス(サインツSr.)ともレース中ずっとバトルができたのは、嬉しいサプライズだった。もっとペース差があると思っていたからね。でも、200戦目の節目にポイントが取れたのは本当に良かった。レース後にはFIAの部屋でいろんな裁定があって時間はかかったけど、最終的にポイントが確定して、結果的には全てうまくいったと思っている。Q:今年はチャンスがあれば確実にポイントを取れている印象があります。それは意識してやっていることですか?オコン:うん、ちょっとしたことで全部台無しになる可能性もあるけど、今のところ、チャンスがあればしっかりものにできていると思う。ミッドフィールドは本当に接戦だから、たとえ1~2ポイントでも常に狙っていかなきゃいけない。誰かが1戦だけものすごく好調な週末を送れば、一気に差を詰められるからね。だから1ポイントでも、僕たちにとってはほぼ表彰台みたいなもの。あの日はかなりいいレースだったと思うし、こういう流れを続けていきたい。今週末のマシンの仕上がりを見てみるけど、ここは面白いサーキットだし、チームとしても歴史的に好成績を残しているから期待しているよ。Q:このレッドブル・リンクはチームにとって過去に好成績を残してきたコースです。先週のカナダと比べて、自信はありますか?オコン:見てみないと分からないね。過去に良かったというのは心強いけど、事前準備がしっかりできているという意味であって、結果を保証するものではない。去年のデータや作業内容を活かせるのは確かだけど、FP1で実際にマシンを走らせて、他チームと比較してみるまで分からない。あまり楽観的になりすぎないようにしているよ。Q:今日、FIAのペナルティおよびドライビングスタンダード・ガイドラインが一般公開されました。ファンにとってF1の理解を深めるうえで、良いことだと思いますか?オコン:そう思うよ。というか、僕はもう公開されているものだと思ってた(笑)。Q:チームとドライバーには公開されていましたが、一般公開は今日が初めてです。オコン:なるほどね。でも、誰にとっても透明性があるというのはとても良いことだと思う。Q:ガブリエル、数戦前に投入した新パーツでマシンのパフォーマンスが向上したように見えましたが、今週末も新たなアップグレードがありますね。オーストリアGPに向けたチームの雰囲気はどうですか?ガブリエル・ボルトレト:とてもいい雰囲気だよ。バルセロナで持ち込んだアップグレードはすごくうまく機能してくれたからね。だから今回の新パーツにも期待してる。もちろん、それがバルセロナと同じくらい大きな効果があるのか、それとも少し小さいのかは、実際に走ってみないと分からない。でも楽しみにしているし、チームも今年に入ってからクルマの開発をうまく続けている。ラップタイムも確実に良くなってきている。今は良い方向に進んでいると思うし、少なくともそれが見える形になってきた。これまでのように、大きなクラッシュや混乱がない限りポイント争いが難しかった状態から、今は少しずつ「常にポイント圏を争える」状態に近づいてきている。今週末でさらにチャンスを広げられたらいいね。Q:シーズンも折り返しに近づいていますが、自身のパフォーマンスについてはどう感じていますか?特に1周のタイムとレース全体での違いについては?ボルトレト:1周のアタックでは、かなり自信がついてきたと思う。シーズン序盤から、例えばオーストラリアの時点ですでにクルマ...
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