アウディは、新型 アウディ R8 LMS で出場するカスタマー(プライベート)チームへの支援を通じ、2016年シーズンもSUPER GTに挑戦することになった。量産モデルのアウディ R8が第2世代にモデルチェンジしたことを受けて、GT3仕様のレースカーであるアウディ R8 LMS も新型に生まれ変わった。新型 アウディ R8 LMS は2016年から導入される安全規定にいち早く適合したことが特徴。
アルミとCFRPの複合素材によって構成された新世代のアウディ スペース フレーム(ASF)の採用により、従来モデルに対して25kgの軽量化を達成。さらに捻り剛性を39%向上させたうえで、エアロダイナミクスの面でもさらなる進化を果たしている。自然吸気 V10 5.2ℓエンジンは最高出力585PSを発揮するほか、オーバーホールのインターバルが2万kmとレーシングエンジンとしては極めて長いことも特徴のひとつ。また、駆動方式は車両規則によってquattroフルタイム4輪駆動から後輪駆動へと改められている。新型 アウディ R8 LMS は量産モデルの新型 アウディ R8 と並行して開発が進められ、パーツの共用率は50%に上ります。また、 アウディ R8 LMS も アウディ R8 も、AUDI AGネッカーズルム工場近くに新設された“ベーリンガーホフ(Böllinger Höfe)”工場で生産される。この新型 アウディ R8 LMS で2016年 SUPER GTのGT300クラスに参戦するのは、2012年から アウディ R8 LMS で挑戦し続けているAudi Team Hitotsuyamaと、今年から新たに参戦するAudi Team Brailleの2チームとなる。このうち、Audi Team Hitotsuyamaの一ツ山亮次チーム代表は新シーズンに向けた抱負を次のように語っている。「今年はフルモデルチェンジを受けた新型 アウディ R8 LMS で参戦、ダンロップからタイヤ供給を受けることになりました。先日行ったシェイクダウンテストでは、リチャード ライアン、藤井 誠暢の両ドライバーが、新型マシンとダンロップ タイヤのコンビネーションに大きな手応えを掴んだようで、『間違いなくシリーズチャンピオン争いに加われる』と力強くコメントしてくれました。また、ヨーロッパのGT3レースなどですでに何100時間と新型 アウディ R8 LMS で実戦を経験しているW-Racing Team(WRT)のエンジニアが昨年同様派遣されることも決まっているので、とても心強く思っています。今シーズンは、早い段階で1勝を挙げるとともに、シリーズチャンピオンを目標にひとつひとつのレースを大切に戦っていきますので、皆さんのご声援をどうぞよろしくお願い申し上げます」アウディ ジャパンは、SUPER GTへの参戦サポートを通じ、アウディの重要なブランド要素であるスポーティイメージをさらに強く訴求していく。アウディ R8 LMS とは?量産モデルの アウディ R8 をベースに、GT3と呼ばれる規則に沿って開発されたレースカーが アウディ R8 LMS。GT3は、国際的なモータースポーツを統括する団体である国際自動車連盟(FIA)が定めた競技車規則のひとつで、現在、世界中のスポーツカーメーカーがこの規則に沿った競技車両を生産し、カスタマーチームに供給している。この規則は、各車両の性能を厳格に規制しており、結果として性能のバラツキが少ない、競争力の拮抗したレースが繰り広げられている。日本ではSUPER GTのGT300クラスならびにスーパー耐久シリーズのST-XクラスがGT3規格を受け入れており、毎レース激戦が繰り広げられている。アウディ R8 LMS はAudi Sportの手で開発され、2009年のデビュー以来、通算28のシリーズタイトルを獲得。8つの24時間レースで総合優勝する活躍を示してきた。これまでに生産された アウディ R8 LMS は合計で130台以上に上る。昨年のジュネーブショーで一般に公開された新型 アウディ R8 LMS は、その後、Audi Sport と縁の深いチームの手によって実戦を通じた開発が進められてきた。このうち、2015年5月に開催されたデビュー戦、ニュルブルクリンク24時間では総合優勝を達成、7月に開催されたスパ24時間でも2台が表彰台に上る健闘を示した。それから1年を経て、2016年シーズンから一般のカスタマーチームへの供給を開始。日本ではAudi Team HitotsuyamaとAudi Team Brailleの2チームがいち早く新型 アウディ R8 LMS を手に入れ、SUPER GTに参戦することが決まった。
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