アウディF1は2026年シーズン前半戦終盤で着実な進歩を見せ、3戦連続でポイントを獲得した。コンストラクターズ選手権ではウィリアムズを上回り8位へ浮上し、チーム全体の成長が数字にも表れ始めている。しかし、モータースポーツ責任者のアラン・マクニッシュは「トップ4チームとの差は依然として大きい」と現状を冷静に分析。空力アップデートの成果や車両理解の進展を評価する一方、2027年を見据えた開発戦略や改善すべき課題についても率直に語った。
空力アップデートで低速域の弱点を改善アウディF1はシーズン序盤、速さを持ちながらも結果につなげられないレースが続いていた。しかし、シルバーストンから3戦連続でポイントを獲得し、ようやくパフォーマンスを結果へ結び付けられるようになった。マクニッシュは、その要因としてオーストリアGPで投入した空力アップデートを挙げた。「オーストリアで空力アップデートを投入し、それが非常に効果的だった。特に少し弱点だった低速コーナーで大きな助けになった」「さらに、マシンをより運転しやすくする変更も加えた。これも主に低速コーナーで効果を発揮している」また、エンジニアがマシンの特性をより深く理解できるようになったことも進歩の要因だという。「重要なのは、マシンが何を好み、ドライバーが何を求めているかを理解することだ。その点でも私たちは前進している」PU大型アップデートは2027年まで見送りアウディF1は今季、パワーユニットの開発機会をすべて使い切る方針は採らない。予算上限を考慮し、大規模なアップデートは2027年まで温存する考えだ。「バルセロナでは小規模な改善を実施し、それは期待どおり機能した」「より大きなアップデートは2027年になる可能性が高い。そのため、それまでパワーユニットに大きな変更はないだろう」その理由についても次のように説明した。「資金を一度に使い切るわけにはいかない。そうすれば、その後に戦うための余力がなくなってしまう。だからこそ期待値を適切に管理する必要がある」 チーム全体の成長を実感今季からジョナサン・ウィートリーに代わってスポーツ部門を率いるマクニッシュは、チーム内部の変化を強く感じているという。「私が直接関わるようになってから、人材が着実に成長しているのを感じる。チーム全体の自信も高まっている」「ブダペストはさまざまな理由で難しい週末だったが、その中でもオペレーションは非常に良かった」さらに予選パフォーマンスについても予想以上だったと評価した。「純粋なパフォーマンスという意味では、予選は予想以上だった。これほど速く、しかも安定して速さを発揮できるとは思っていなかった」「その速さを引き出せるようになっているが、さらに一段階成長する必要がある」改善すべき課題はスタート一方で、改善すべき課題としてスタートを挙げた。「満足できていない分野の一つがスタートだ。今回もそこで不利になってしまった」「リアム・ローソンの後ろに入ってしまい、本来ならレーシングブルズの1台を上回るチャンスがあったにもかかわらず、最終的には2台とも前でフィニッシュされた」それでも夏休み前の手応えには満足しているという。「改善すべきことは本当にたくさんある。しかし、ここまで示してきた内容は非常に前向きなものだ」トップ4との差は依然として大きいアウディF1は現在、コンストラクターズランキングでウィリアムズを抜いて8位に浮上。Q3進出や入賞も常連となりつつある。マクニッシュは、この成長が今後も続くと確信している。「私たちはウィリアムズをランキングで上回った。Q3にも安定して進出し、レースでもトップ10に入り、ポイントを獲得している」「オペレーション面でも技術面でもチームは着実に前進している。この流れは今後も続くだろう」ただし、現状を過大評価することはなかった。「今感じているのは自信というより安心感だ。チームが着実に強くなり、正しい方向へ進んでいるという安心感がある」「しかし正直に言えば、私たちの現在地は中団であり、トップ4チームとの差は依然として大きい」それでも、F1参戦からまだ11戦しか経験していない新チームであることを踏まえれば、現在の位置は十分に評価できると締めくくった。「私たちはF1でまだ11戦しか戦っていない。そのことを考えれば、現在の位置は非常に良いものだと思っている」