アストンマーティンF1の元チーム代表オットマー・サフナウアーが、現在のチーム低迷の原因について厳しい見解を示した。サフナウアーは、現在の苦境は2026年シーズンの失敗だけではなく、約5年前から続く組織運営の問題に起因すると主張。ローレンス・ストロール率いる体制が「成功を急ぎすぎた」ことで、継続的に競争力を築くために不可欠な組織の安定性を失ったと指摘した。
「成功を急ぎすぎたことが混乱の始まり」フォース・インディア時代からレーシングポイントを経て、2022年初頭までチームを率いたサフナウアーは、『High Performance Racing』ポッドキャストで司会のジェイク・ハンフリー、元フェラーリのエンジニアであるロブ・スメドレーと対談。その中で現在のアストンマーティンについて率直な評価を下した。アストンマーティンは近年、新ファクトリーや最新風洞施設の建設、2026年からのホンダとのワークスパートナーシップ、さらにエイドリアン・ニューウェイの招聘など、多額の投資を続けてきた。しかし、2026年シーズンは開幕から苦戦が続き、コンストラクターズランキングでも下位に低迷している。現在の問題はいつ始まったのかと問われたサフナウアーは、迷うことなくこう答えた。「ローレンスはもう8年間チームを所有している。5年前までさかのぼる必要がある」「私に言わせれば、この混乱はF1で成功を急ぎすぎたことから始まっている」「成功を急ぎすぎて忍耐を欠けば、人材の入れ替わりも早くなる」「そして最も成功しているチームというのは、組織が安定しているチームなんだ」「勝つチームには人材の継続性がある」サフナウアーは、アストンマーティン最大の問題は資金や設備ではなく、人材が定着しない組織運営にあると分析した。「今のメルセデスにはトト・ヴォルフの下で人材の安定がある。レッドブル・レーシングが勝っていた頃もそうだったし、ロス・ブラウン時代のフェラーリも同じだった」サフナウアーは、トップチームはいずれも長期間にわたって中核メンバーが維持されていた点を強調。アストンマーティンは十分な資金や最新設備、そして高い野心を備えている一方で、本来時間をかけて築くべき組織づくりを短期間で実現しようとしたことが現在の苦境につながったとの見方を示した。ホンダとのワークス体制やニューウェイ加入など、新たな体制づくりが進むアストンマーティンだが、サフナウアーは設備投資だけでは成功は得られず、継続性と組織の安定こそがF1で勝利を収めるための最も重要な要素だと訴えている。
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