2026年シーズン前半戦のアストンマーティンF1は、新レギュレーションへの対応に苦しみ、グリッド後方で厳しい戦いを強いられている。しかし、元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、この苦境は一時的なものに過ぎず、チームは今後2年以内にグランプリ優勝を果たすと大胆な予測を示した。エイドリアン・ニューウェイの加入、ホンダのパワーユニット開発、そしてハンガリーGPで投入された大型アップグレードなど、将来への材料は揃いつつある。
クルサードは「現状は非常に厳しい」と認めながらも、長期的な成長には強い確信を示している。2026年は苦戦も「今後2年間で最も成長するチーム」アストンマーティンF1は2026年、新たな技術レギュレーション導入とともにシーズンを迎えたが、マシン性能は期待を大きく下回った。シャシーの競争力不足に加え、ホンダ製パワーユニットも開幕当初は十分な戦闘力を発揮できず、シーズン前半は下位グループで苦戦。前戦ハンガリーGPでは今季初となる大規模アップグレードを投入して一定の改善を見せたものの、依然として中団争いに留まっている。さらに、次戦オランダGPではホンダがパワーユニットのアップグレードを投入する予定であり、チームはさらなるパフォーマンス向上に期待を寄せている。そうした状況について、クルサードは『Up To Speed』ポッドキャストで率直な評価を下した。「アストンマーティン自身も『このシーズンは記録から消し去りたい』と思っているだろう」「唯一のポイントは、もちろんフェルナンド・アロンソがモナコで獲得したものだ。あのレースはドライバーの数よりペナルティの方が多いくらいだった」「アストンマーティンは、本当に、本当にひどい状態だった。率直にそう言わなければならない。本当に、本当にひどかった」「要約すれば、約1秒はエンジンによるもので、さらに2秒ほどはマシンによるものだった」しかし、その一方で将来については極めて強気な見方を示した。「ただ、私の言葉を覚えておいてほしい。今後2年間で、最も大きく成長するチームになるだろう」「私は予言する。彼らは今後2年以内にグランプリで優勝する」ニューウェイなら立て直せると確信クルサードが楽観的な見通しを示す最大の理由は、エイドリアン・ニューウェイの存在だ。数々のF1タイトル獲得マシンを手掛けてきた名デザイナーは、現在アストンマーティンF1のプロジェクトを率いており、クルサード自身も過去にともに仕事をした経験を持つ。その実績を知るからこそ、現在の苦境からチームを立て直せると確信しているという。「彼はレーサーなんだ。そして企業向けのPRをするような人物ではない」「見たままの人物で、それこそが彼がこの状況を乗り越えられる理由なんだ」「もしこれが他のチームで、他のデザイナーやテクニカルディレクター、あるいはチーム代表だったなら、おそらくもう職を失っていただろう」「でも相手はエイドリアンだ。彼なら必ず正しい方向へ導いてくれると分かっている」苦戦の2026年は飛躍への投資期間かクルサードの予測は大胆だが、根拠がないわけではない。アストンマーティンF1はエイドリアン・ニューウェイを中心に技術体制を刷新し、ホンダとの新たなワークス体制もまだ開発初年度にある。ハンガリーGPで投入された大型アップデートと、オランダGPで予定されるホンダのパワーユニット改良は、その再建プロジェクトの一部に過ぎない。現時点では成績だけを見れば厳しいシーズンとなっているが、2027年から2028年にかけて本格的に優勝争いへ加わるという見方は、F1関係者の間でも徐々に広がりつつある。2026年は将来の飛躍に向けた「土台作り」の一年となるのか、今後の進化が注目される。【関連】・アストンマーティンF1 メルセデスPU継続なら「トップ5だった」とモントーヤ