アストンマーティンF1は、2026年F1第11戦ハンガリーGPを前に、大幅アップデートを施した「AMR26B」を初めて公開した。シルバーストンを拠点とするチームは、シーズン序盤の苦戦を受け、小規模な改良を積み重ねるのではなく、一度に大きな進化を投入する戦略を選択してきた。木曜日のハンガロリンクのピットレーンでは、新仕様マシンの姿が現地カメラマンによって撮影され、金曜日のフリー走行で初走行を迎える準備が整った。
アストンマーティンF1は、このアップデートによって競争力を大きく引き上げ、シーズン後半の巻き返しを狙う。AMR26Bは軽量化と空力刷新が柱アストンマーティンF1は、他チームのように各戦へ小規模アップデートを投入するのではなく、ハンガリーGPで一気に競争力を引き上げることを目指し、大規模な開発を進めてきた。今回投入される「Bスペック」では、シャシーとギアボックス構造の見直しによる大幅な軽量化が最大のテーマとなる。そのほかにも、リアサスペンションの改良、新しいノーズ、そして大幅に見直された空力パッケージが導入される。このアップデートは2段階計画の第1弾であり、第2弾として来月のオランダGPではホンダ製パワーユニットの改良版投入も予定されている。ニューウェイは、他チームがシーズン中にアップデートを重ねる一方で、自分たちは相対的に「立ち止まる」苦しい期間を過ごしたと認めた。そのうえで、小規模な改良を繰り返すよりも、将来を見据えた大規模アップデートへ開発資源を集中させることが最善の判断だったと説明している。ニューウェイ「重量制限に極めて近づける」アストンマーティンF1のマネージング・テクニカル・パートナーであるエイドリアン・ニューウェイは、チーム公式サイトで今回のアップデートについて詳細を説明している。「主要な構造部分は同じだ。シャシーとギアボックスの基本アーキテクチャは変わらないが、その両方で軽量化を実現した。そのため、前方シャシーは再ホモロゲーションとクラッシュテストを実施する必要があった」「フロントサスペンションは変更していない。リアサスペンションは若干見直した」「新しいノーズと、大幅に刷新した空力サーフェスを開発した」「つまり基本構造は似ているが、大規模な空力アップデートと大幅な軽量化を組み合わせたパッケージだ。目標は最低重量制限に極めて近づけることだ」ニューウェイは性能向上についても期待を示しながらも、具体的な数値には慎重な姿勢を見せた。「大きな前進になると予測しているが、具体的な数字は挙げたくない。まずは実際に走らせて確認する必要がある」さらに、今後の開発基盤についても次のように語っている。「このチームは歴史的にエンジニアリング用シミュレーションツールへの投資が十分ではなかった。プロジェクト管理システムだけでなく、物理シミュレーションそのものも含めてだ」「現在はその投資を進めているが、ツールは一夜で作り直して検証できるものではない。実車との相関を取るには時間が必要だ」「改善は進んでいるが、本当の成果が現れるのは今年後半になるだろう」まずは中団争いへの復帰を目指すアストンマーティンF1はここまでコンストラクターズランキング最下位に低迷しており、今季獲得したポイントはフェルナンド・アロンソがモナコGPで記録した10位による1ポイントのみとなっている。マイク・クラックは今回のアップデートについて「最も重要なのは再びレースができるようになることだ。ここ数戦は中団グループについていくことが非常に難しかった」と語り、まずは中団争いへ復帰することが最大の目標だと強調した。また、今回のパッケージでは空力性能と軽量化という狙いはすべて達成できたとして、ハンガリーGPでの実戦投入に大きな期待を寄せている。さらに、冬季テストで苦戦したホンダとの協力体制についても改善が進んでいる。ホンダF1の折原慎太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアは「厳しい時期をともに乗り越えることで関係を築くことができた」と説明。クラックも「私たちは一緒にこの状況を乗り越えなければならないと確認し合った」と語り、シルバーストンと栃木・さくら研究所の連携は以前よりも強固になったとしている。チームにとってAMR26Bは2026年シーズンを立て直すための最重要アップデートであり、まずはハンガロリンクでどこまで競争力を回復できるかが大きな注目点となる。その成果次第では、オランダGPで投入予定のホンダ製パワーユニット改良版と合わせ、シーズン後半の勢力図を変えるきっかけとなる可能性もある。
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